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2019年11月2日(土)

広がる“個人間融資” その実態とは

「個人間融資」と呼ばれるインターネットに無数に表示される、融資を求める書き込み。
本来「貸金業」の登録なしに個人が複数にお金の貸し付けを行うことはできませんが、今、ネットで違法な「個人間融資」が広がっています。その実態に迫りました。

個人間融資の闇 その実態は?

「携帯代の支払いができません」。
「お金にお困りならお助けできます」。
数分単位で更新され、つぎつぎに増えてゆくネット上に広がる個人間融資の書き込み。
その額は、ほとんどが5千円から数万円などと比較的少額ですが、貸す側は貸金業の登録をしないなど違法な融資が目立ちます。

借りる側は、なぜ見知らぬ人に融資を求めるのか。
個人間融資でお金を借りている、派遣社員の男性です。
その目的は、「生活費を得るため」だと言います。

派遣社員の男性
「掲示板とかツイッターなどで貸してくれる人を探して、交渉してお金を借りる。」

掲示板にお金を借りたい理由や金額、口座番号などを書き込むと、お金を貸したい人からメールが届きます。
利息などを交渉し、名前や住所といった個人情報を伝えると、お金が振り込まれるのだと言います。

男性には多額の借金を返せなくなったことがあります。
それでも特別な審査もなく、手軽にお金を手に入れることができるといいます。

派遣社員の男性
「半日くらいで済んじゃう人もいますね。
手軽さはあると思います。
簡単だと思います。」

個人間融資の実態 貸しているのは?

手軽さから大きく広がっている、ネットの個人間融資ですが、どんな人がお金を貸しているのか。
書き込みをしている人に接触を試みました。

現れたのは40代くらいの男性。

「NHKなんですけどお話お聞かせいただけたらなって思って。」

「いいよ。」

短い時間を条件に、話を聞くことができました。

都内で会社を経営しているという男性。
利息を目当てに、融資を行っていると言います。

「会社経営してて経営がきついのよ。
たまにサイト見て気がついたら(メールを)送ってる。
10万以内なら年利20%、100万円以下なら18%。」

幅広い世代に貸してきましたが、これまでにお金を回収できなかったことはないといいます。

「名前と住所聞いて写真付きの身分証を確認して、その場でストリートビュー見て壁の色は何色とか聞く。
若い子は20歳以下。
若い子もおっちゃんも老人もいるし。
年金で返しますとか。」

取材を進めると、個人間融資の掲示板を運営していた男性に、話を聞くことができました。
当時男性は、一般の会社員。
副業として掲示板を運営し、金融関係の企業の広告収入でお金を稼いでいたと言います。

「1日に何回も見る人もいるから、アクセス多いときは1000とか超えてました。
企業から月ぎめ広告にいくらやってくれませんかというのが来るようになったり、あそこのサイトなら何十万でも積んでいいよって。」

個人間融資で広がる闇 その陰でトラブルも

一般の人たちに広がる個人間融資。
しかし、その陰でトラブルが増えている実態も明らかになってきました。
貸し手側が求める「ひととき」という言葉。
担保や利息として性行為を行うことを指し示す隠語です。

実態を知ってほしいと、トラブルにあった女性が取材に応じてくれました。

当時幼い子どもがいて働くことができず、生活費のため融資を受けたこの女性。
融資の担保として裸の写真を送らされ、利息として性行為を強要されたといいます。

「大体メールをくださるのは男性。
9割以上は性行為を要求する方が多い。」

さらに性行為に応じないと、ペナルティーとして利息を増やされ、その総額は借りた時の倍以上に膨れあがっていったと言います。

利息を目当てにお金を貸すことを一般の人が行っているというのが、驚き。
取材した貸し手の人たちは違法性の認識が薄く、むしろ「貸してあげている」という善意で貸し付けを行っている人が多く、トラブルも多発しています。
国民生活センターによせられる個人間融資に関する相談件数は今年に入ってから増えており、「15万円を借り入れしたら利息が付いて400万円になった」という相談や、「保証金として先に5万円を払ったが、その後連絡がとれなくなった」など相談が寄せられているということです。

個人間融資がこのように広がった、きっかけを、ヤミ金や、個人間融資について詳しい専門家は、「2010年に貸金業法が改正され、多重債務者を減らすために、借り入れできる金額が給与の3分の1にまで引き下げられた。
もっとお金を借りたいという人たちが個人間融資に流れ、こうした場が次第に拡大していったのではないか」と話していました。
こうした個人間融資の危険性について、金融庁もこのように勧告文をだして危険性を周知したり、相談窓口に載せるなどして、対応をはじめています。
個人間融資の相談はこちらです。
金融庁や消費生活センターに窓口があります。
急速に広がる、個人間融資についてお伝えしました。

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