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2019年10月26日(土)

なぜ?広がる“退院後のリハビリ施設”

誰にでも起こりうる、病後のリハビリについての話題です。
寝たきりなどの、介護が必要となる最大の原因である脳卒中。
その患者は全国で111万人を超えます。
身体の一部にまひなどが残ることが多く、リハビリが必要ですが、今、退院後にリハビリを十分に行えないことが大きな課題となっています。
こうした中、その受け皿として、今、あるリハビリ施設が広がりを見せています。

“リハビリ”をもっと続けたい…広がる新たな受け皿

リハビリ施設で趣味のビリヤードをためす、こちらの男性。
脳卒中により、左半身にまひが残っています。
好きなことや目標の実現に向けて行う「オーダーメードリハビリ」です。
オリジナルのプログラムにしたがって行われています。
民間企業が運営するリハビリ施設。
通うのは、病院でリハビリを行ってきたものの、さらに機能の改善を図りたいと思う人たちです。
5年間で、およそ4000人が利用してきました。

「自分のことをよく分かってもらってるからこそ、相談も出来るし、それに対応してもらえるので。」

施設に通う会社員の地引真悟(じびき・しんご)さん、46歳です。
去年12月に脳梗塞を発症。
一命はとりとめたものの、左半身にまひが残りました。
3か月間に及ぶ病院でのリハビリで歩けるようになりました。
さらに左の上半身に残ったまひを改善するため、リハビリの継続を望んだ地引さん。
しかし、およそ3か月で退院せざるを得ませんでした。

厚生労働省によると、脳卒中の場合、病院で最大180日間リハビリを受けることが出来ます。
しかし、実際には、病床やスタッフが不足していたり、診療報酬などの関係で、病院でのリハビリをこれより短期間で切り上げざるをえないのが現状です。
地引さんは退院後、まひを改善するためのリハビリができる施設を探しました。しかし、望むような場所はありませんでした。
見つかったのは、お年寄りなどに混ざって受ける「グループリハビリ」。
介護保険は使えるものの、主に体の“機能の維持”が目的で、“機能の改善”が望めるようなものではありませんでした。

地引真吾さん
「僕の望んでいるリハビリの成果は得られないと思っていたので、それよりももっと積極的に体を動かせる、もしくは動かせる方法を教えてくれる所が良いと思って。」

地引さんがわらにもすがる思いで見つけたのが、オーダーメードの施設でした。
地引さんのいちばんの目的は、営業の仕事に復帰すること。
毎月の目標を細かく設定し、仕事で外出できることを目指しています。
まず行うのは、はりとおきゅう。
固まった筋肉の凝りをほぐします。
さらに1時間かけて、脳が忘れてしまった手足の動かし方をもう一度思い出させます。
しかし、費用は2ヶ月で29万7千円。
保険は適用外です。
これまでにかかった費用は、およそ90万円に上ります。

リハビリを始めて6か月。
地引さんは職場復帰を果たし、週に3回ほど会社に通っています。
長時間のデスクワークや同僚が運転する車で営業に出かけることもできるようになりました。
少しでも元の体の動きに近づけたい、地引さんは今後も“機能の改善”を目指して、続けていこうと考えています。

地引真吾さん
「まだ完全に復帰ではないですけれども、体を動かすことによって、もう一回、そこら辺まで行きたいなっていう望みがあるわけで。
多少(費用が)高くても続けよう。」

費用の高さについて、リハビリに詳しい専門家は、十分なリハビリを受けられるような環境作りが大切だと指摘した上で、退院後のオーダーメードリハビリも、がん保険などのように保険会社の提供するサービスに加わって保険をかけられるようになると、費用の負担を抑えられるのではないかといいます。
もっと体の機能を回復したいという思いに応える制度や仕組み広がっていくといいですね。

地引さんにとっては脳梗塞リハビリセンターでかかる費用は、実際に入院にかかった費用と比べそれほど差はなく、納得のいく金額だと言います。
また、介護保険で受けられるリハビリよりも自由で、希望に合ったリハビリを経験豊富な理学療法士らから受けられることなどに魅力を感じているとも言います。
     

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