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2019年10月11日(金)

来日 2018年ノーベル平和賞 性暴力と闘う医師 ムクウェゲ医師 “世界はつながっている”

長年、性暴力の被害にあった女性たちの治療と支援にあたり、去年(2018年)、ノーベル平和賞を受賞したアフリカ・コンゴ民主共和国のデニ・ムクウェゲ医師が来日しました。
訴えたのは、コンゴの性暴力の問題が私たちにも無関係ではないというものでした。

ノーベル平和賞 性暴力と戦う医師 “世界はつながっている”

今月(10月)2日に来日したムクウェゲ医師。
いま、世界各国をまわり、ノーベル平和賞受賞後も変わらない、ふるさとコンゴの性暴力の実態を訴えています。

去年ノーベル平和賞を受賞 デニ・ムクウェゲ医師
「『レイプの中心地』と呼ばれているコンゴ民主共和国では、加害者を裁くことも、被害者の人権を守ることも何も実行されていないのです。」

コンゴ民主共和国の東部にあるムクウェゲ医師の病院には、いまも毎日のように性暴力を受けた女性たちが運ばれてきます。
性暴力がなくならない背景には、鉱物資源をめぐる争いがあります。

コンゴには国際的に高く取引されるレアメタルなどの鉱物資源が豊富に眠っており、武装勢力が資源のある地域を支配するために、武器として性暴力を使っているのです。
住民が抵抗できないよう、性暴力で恐怖心を植えつけます。
こうして奪われた鉱物資源は世界中に行き渡っているといわれています。

デニ・ムクウェゲ医師
「我々はみなつながっており、世界のどこかが苦しんでいるときに、無関心でいるのは論外です。
無関心に立ち向かわなければなりません。」

来日したムクウェゲ医師は、1週間の滞在中、各地を精力的にまわりました。

アフリカ支援を行うNPO=テラ・ルネッサンス 吉田真衣さん
「コンゴ東部の方で紛争被害者、主に女性の方の社会復帰支援をしています。
NGOとして期待されることがもしあれば。」

デニ・ムクウェゲ医師
「紛争を終わらせるのは武器ではなく一人一人の声です。
あなたの団体のサイトで実態を伝えてくれたら心強いです。」

今回、特に時間を割いたのは、学生など若者たちとの対話。
コンゴの性暴力が日本に暮らす私たちと、決して無関係ではないと繰り返し訴えました。
一方、学生からは、レアメタルなどを使った製品が暮らしに欠かせない中で、どうすればいいのかという質問もあがりました。

学生
「今スマートフォンを使うなといわれてもなかなか難しいのが現状かなと思うんですけれども。」

デニ・ムクウェゲ医師
「スマートフォンが悪いというわけではありません。
ちゃんとした原材料なのか、買う前に私は質問しています。
まずは疑問を持って、共に声をあげてくれたら嬉しいです。」

学生
「すばらしいことをしたいなら、何か始めないといけないと思います。
あなたはどうやってスタートしたんですか?」

デニ・ムクウェゲ医師
「人生で一番大事なことは、自分のことだけを考えないということです。
自分のことだけに限ってしまうと、人生はわい小化してしまうでしょう。
他人の苦しみを軽減するためにはどうしたらいいか考えることが大切です。」

“世界はみなつながっている。
無関心は許されない。”

ムクウェゲ医師の訴えです。

デニ・ムクウェゲ医師
「一人一人が現実を変えられるのです。
今日からともに行動しましょう。」

取材:吉岡礼美(おはよう日本)

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