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2019年9月17日(火)

あなたはどうする?キャッシュレス

話題の、現金を使わない支払いキャッシュレスについてです。

私たちの身近でキャッシュレス

北陸・金沢の、300年の歴史がある近江町市場。
昔ながらの現金を入れる「かご」に、QRコードがありました。

私たちの身近で、急速にキャッシュレスが広がっています。
なぜ今、動きが活発なのか。
それは、2週間後に迫った消費増税にあります。
増税と同時に、キャッシュレスで買い物をすると、最大5%のポイントが還元される制度が始まるからなんです。

そのキャッシュレス、主なものを挙げると…。
クレジットカードやデビッドカード、鉄道に乗るときなどに使う「電子マネー」、そして最近、急速に増えているスマホ決済があります。
先月、スマホ決済を導入した大阪名物のたこ焼き店です。

平日でもお客さんが並ぶ人気店。
キャッシュレスに期待したのは、「支払い時間の短さ」でした。
大阪万博など、将来、外国人旅行者などが増えることを見据えて決断したといいます。

たこ焼き店社長 田中由弘さん
「5年先のことを考えたら、今から練習していかなければ。
スピードアップにもなるし、まず一歩目。」

去年オープンした理容店では、“業務の効率化”を目指して完全キャッシュレスにしました。

お釣りのやりとりなど、これまで理容師の負担だったものを減らし、カットに集中してもらおうと考えました。

理容店社長 田中慎也さん
「現金を扱ってると、お釣りが合わない。
その前にレジ締めをしないといけない。
そこをなくしたかったのが一番大きい。」

一方、お店だけでなく、スマホ決済サービスを提供する事業者も必死です。
先月、大手事業者が、大阪地区限定の大規模なキャンペーンを行いました。
野球場で販売されるビールやおつまみなど。
キャンペーン中に自社のスマホ決済で支払うと、200円分が還元されるというものでした。

この事業者では、自社のスマホ決済を一度でも使ってもらえれば、その後使い続けるきっかけになると力を入れています。

メルペイ 山代真啓さん
「(野球場などは)お得で便利を一番体感してもらいやすい場所。
キャッシュレスを楽しむきっかけになれば。」

キャッシュレスが推進される理由

キャッシュレスサービスの事業者がそこまでするのは、今のうちに1人でも多く利用者を増やそうと、激しく争っているからなんです。
そこには、消費者の購買データなどの収集という狙いもあります。
決済で集めたデータを解析し、新たなサービスの開発につなげようとしています。
政府もいま、現金を扱うコストの削減や、外国人旅行者への対応、そして、増税による消費の冷え込みを防ごうと積極的に推し進めています。
国別のキャッシュレスの比率を見てみますと…。

日本は約20%です。
同じアジアでも韓国はおよそ96%などとなっています。
日本全体では、普及が進んでいない一方で、工夫をした結果、地域全体で一気に広まったところもあります。

北海道・広島で見る 普及の鍵は地域の…

北海道・紋別市の中心部にある大手スーパー。
全国の系列店の中で、最も電子マネーの利用率が高い店舗です。
レジで現金を使う人は2割程度、残りはすべてキャッシュレスです。

「(電子マネー)ワオン1枚で十分です。」

紋別市で普及が進んだ要因のひとつは、お金を事前に入れる「チャージ」をちょっとした工夫で後押ししたことでした。
一般的に、電子マネーで面倒とされるのがチャージです。
レジで残高不足に気付き、そのまま、あまり使わなくなる人もいるといいます。

この店舗では、1万円チャージをするごとに、コメなどが当たる福引きを8年前に始めました。
一度に数万円を、チャージする人も多くいます。
その後、地域の鮮魚店や商店などから、電子マネーを持つ人が増えるにつれて、同じように使えるようにしたいという声が広がりました。

ガソリンスタンドなど生活必需品を買える店でも導入。
市内の金融機関が減るなか、現金を常に持ち歩かなくて良い便利さが普及の鍵となりました。
キャッシュレスをきっかけに、地域に根ざした新たなサービスを始めたところもあります。
広島県北部の山あいにある庄原市東城町です。
地元の商工会が発行する、独自の電子マネー「ほろか」。
現在、人口の8割まで普及しています。

ほろかの場合、地元の商工会発行のため、手数料は大手カード会社の半分以下の1%。
しかも手数料は商工会に入り、地域にお金が残ります。
そのお金を元に、新たに始まったサービスは小学校にあります。

子どもの安全を守るため、玄関に設けられたこの機械。
登下校のとき、児童がタッチすると登下校を、保護者に知らせてくれます。

東城小学校教頭六原三枝さん
「地域の方と一緒に防犯対応ができるのは、ありがたいなと思っています。」

今後のキャッシュレスの課題について三菱総合研究所の奥村拓史さんに聞きました。
1つが、企業が得た個人情報をどうやって扱うか、しっかり利用者に説明する必要があるということ。
もう1つが、「情報格差への配慮」です。
キャッシュレスを使わない人や、使えない人に不利益が生じないよう配慮する必要がある、と指摘しています。
ちょうど2週間後、ポイント還元制度が始まります。
ひとりひとり、「キャッシュレス」について改めて考えるときが、まさにいま、と言えそうです。

取材:佐々木祐輔ディレクター(おはよう日本)
   吉岡礼美ディレクター(おはよう日本)
   真方健太朗(広島放送局)

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