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2019年9月6日(金)

“プラスチック代替品”  最前線

海洋汚染などを引き起こしているプラスチックゴミの問題が深刻化する中、いま、プラスチックの代替品を開発し、ビジネスチャンスにしようという取り組みが進んでいます。

続々開発! “プラスチック代替品”

全国一の紙の産地、愛媛県四国中央市にある大手製紙メーカーの工場では、プラスチックに負けない強度を目指して、新たな紙素材を開発しました。
国内の紙の生産量はデジタル製品の普及でペーパーレス化が進み、ピーク時からおよそ2割減少しています。

V字回復の道を模索していた中、目をつけたのが、プラスチック代替品へのニーズでした。

大王製紙機能材部 大久保洋介部長
「この”脱プラ”の機運、時流に乗ってそのチャンスを自らつかむっていう事は、大きなチャンスだというふうに思っています。」

この新素材に大手菓子メーカーも着目。
プラスチック製のピックから切り替えました。
さらには、スプーンも試作しました。

新素材は硬く、加工しにくいなどの課題もありますが、メーカーでは、さらに改良を重ねて今年度中に商品化し、まずは海外市場に打って出たいとしています。

大王製紙機能材部 大久保洋介部長
「欧米ですとスプーンであったりフォークであったりそういった文化がありますので、グローバルに展開していきたい。」

素材は紙だけではありません。
「石灰石」を主原料にしたレジ袋やクリアファイルは、石を粉末状にして特殊な技術で固めることで実現しました。
割れ物などを包む緩衝材は「寒天」でつくられています。

一方で、新たに素材を開発するのではなく、古い生活の知恵をヒントに、代替品を作る動きも出てきています。

京都府内の道の駅で使われている、このストローは“麦わら”から作られています。
手がけているのは、環境問題を扱う京都市のNPO法人。
“茎の中が空洞”という特徴に目を付けました。

NPO法人木野環境代表理事 丸谷一耕さん
「70代以上の人から、昔、麦わらストローを使っていたと。
これちょっとできないかなと。」

京都市の農家から、使っていなかった麦わらを調達し、殺菌、消毒。
しかし、量産するとなると大きな課題が出てきました。

短い、細い、割れたり裂けたりしているなど、素材のばらつきが多く、想定の7割が使えませんでした。
さらに、一般的な業務用プラスチックのストローは、1本0.1円以下。
対して、麦わらストローを作るのにかかる費用は、1本40円。
なんと400倍ものコストがかかる結果になってしまいました。
乗り越えなければいけない壁がまだまだあるプラスチックの代替品。
専門家は、一つの企業や団体だけでなく、社会全体で産業を育てる意識が必要だと指摘します。

環境と経済が専門 中部大学経済情報学部 細田衛士教授
「ヨーロッパや米国でも、はじめはコストがかかっても、売れ筋のいい商品であればそこに投資があって、そこに金融機関からお金も入って小さいビジネスを育てていく風土があるんですね。
小さなビジネスアイデアが環境にもいいし経済にもいい、ということで、日本でも花咲く可能性はこれからいっぱいあると思います。」

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