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2019年8月30日(金)

ひとりで悩まないで 広がる“SNS相談”

夏休みが終わる8月末から9月は、年間で最も子どもの自殺が多い時期です。
中学校時代、不登校を経験したタレントの中川翔子さんは、「学校じゃない場所にも居場所はあります。命を大切にして」と呼びかけています。

子どもの“波長”にあわせたSNS相談

子どもの心のケアに取り組んできた団体・「東京メンタルヘルス」は去年(2018年)、厚生労働省や自治体から委託を受け、SNSを使った悩み相談を始めました。

専門のカウンセラーが、SNSを通じて、文字で寄せられる相談に対応します。
難しい内容には、複数のカウンセラーが相談しながら回答を作成。
1対1の電話相談ではできなかった、SNSの強みです。

カウンセラーの山本立樹さんは、子どもたちが相談しやすいよう、言葉遣いなど“波長”を合わせることが大切だと言います。

東京メンタルヘルス カウンセラー 山本立樹さん
「今の若者や子どもたちは句読点(。や、)を省略します。
こちらの文章も意識して句読点を抜くようにしています。」

長期的にかかわるボランティアも

ボランティアで、長期間にわたってSNS相談を続ける人もいます。
会社員の中村俊也さんは、仕事の合間や食事など時間を見つけてスマホでやりとりをします。

ボランティアSNS相談員 中村俊也さん
「返信が遅いと、私なんかどうでもいいのかなと思ったりする子もいるので、なるべく早めに返すように心がけています。」

中村さんが去年10月から相談に乗る高校生は、学校生活がうまくいかず、リストカットをやめられないという悩みを抱えてきました。
中村さんは、リストカットをやめるよう説得するのではなく、なぜそれをしてしまうのか心の内を聞き励ましてきました。
最近うれしいメッセージが届きました。

高校生からのLINE
「ここまで立ち上がれたのは、自分でもびっくりしてる。
少しずつ成長していけるかな。」

中村さんが所属するNPOでは、現在22人のボランティアが、子どもたちのSOSをいつでも受け止められるよう活動しています。

NPO 若者メンタルサポート協会 岡田沙織代表
「今日、学校行けたよ、とか、明日もがんばるね、明日も待ってるよ、というのがみんなの安心なのかな。」

広がるSNS相談について、若者の自殺予防に詳しい筑波大学・太刀川弘和教授は「SNSは相談への抵抗を下げたり、つらい気持ちを和らげたりできる一方、情報量が少なく、その後の自殺予防など専門的ケアにつなげるには課題もある」と指摘します。

中川翔子さん“いじめられている人は絶対悪くない”

中川翔子さんは「先生や大人には直接言えない、電話での相談はハードルが高いという子がたくさんいると思います。でもSNSだと、口にはできないことを指でダイレクトに伝えらるはず」と言います。
そのうえで、「自分自身、死にたいという状況になったとき、ちょっとしたことで気持ちが変わった経験がありました。大人が向き合って受け止めてくれる、あなたの存在が大事だよと言ってくれることが大切」で、大人が自分の意見を押しつけないことも重要だと話します。

「いじめられている人は絶対悪くない」。
今のしんどさから少しでもチャンネルを変えられるよう、手助けできる大人もいることを子どもたちに知ってほしい。
中川翔子さんから10代へのメッセージです。

取材:齊藤耕平ディレクター・今井朝子ディレクター

【関連リンク】
#8月31日の夜に。

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