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2019年8月24日(土)

ディープインパクトが残したこと

先月(7月)30日に息を引き取ったディープインパクトの話題です。
その強さで私たちを魅了した名馬は、大きなものを残してくれました。
わずか2年の現役生活で、14戦12勝。
数々のビッグタイトルを獲得しました。

ファン
「アイドルですよね。」

「こんな最強な名馬とはもう出会えないんじゃないか。」

名馬 ディープインパクト

社会現象にまでなったディープインパクト。
その姿をひと目見ようと、それまで競馬に関心を持っていなかった人も競馬場に押し寄せました。

しかし、その幼少期は意外なものでした。
体が大きいのが絶対有利とされる競走馬の世界にあって、小柄だったのです。
そのため、血統は一流にも関わらず、セリ市での評価も決して高くありませんでした。

育成担当者
「競走馬名はディープインパクトなんてすごくかっこいい名前がついていますけど、インパクトはなかったかなというのが僕の印象です。」

しかし、レースに出るとその印象は一気に覆されました。

実況
「先頭は抜けたディープインパクト!
ゴールイン!快勝でした。」

後続を大きく突き放して、1着。
小さな体が、躍動したのです。
すべてのレースをともにした武豊騎手。
レースのたびに強くなるディープインパクトの成長ぶりに驚いたといいます。

武豊騎手
「乗ってて気持ちよかったです。
あの馬は最初から強くて、しかもレースを重ねるごとにいろいろとパワーアップしていったり、身につけていくことが多かったですね。」

その後「空を飛ぶような走り」にはますます磨きがかかり、次々と大きなレースに勝利。
瞬く間に史上最強の名馬となりました。

残したのは、すぐれた競技成績だけではありませんでした。
惜しまれるように現役生活を終えた、ディープインパクト。
引退後は、そのすぐれた遺伝子を後世に伝えるため、子孫を残しました。
多い年は、200回以上の種付けを行いました。
一回の種付け料は、世界最高ランクの4,000万円もの値段がつけられました。
そして、ディープインパクトが生んだ資金を元手に、生産地では育成の環境が大きく改善されました。
ディープインパクトを育てた牧場では、10年かけて芝を張り替え、ひづめを傷つけにくい放牧地にしました。

さらに、世界標準の育成システムも導入。
天候に左右されず調教できる、最新の設備です。
こうした投資によって、日本の競走馬の育成レベルはようやく世界に追いつきました。

育成環境を整えたことも実を結び、いま、ディープインパクトの子どもたちは日本の競馬界を席巻しています。
ディープインパクトの子ども、ジェンティルドンナ。
さらに、日本だけではなく海外の舞台でも活躍するサクソンウォリアーなど、大きなレースで優勝を果たす馬も現れています。

ノーザンファーム 副代表 吉田俊介さん
「活躍馬を出してくれて、順調に良い子を出すんだなということを証明してくれてましたから、本当にすばらしい馬だったなと思います。」

こうしたディープインパクトの子どもたちの活躍をきっかけに、いま、世界中からその遺伝子を求める声が後を絶ちません。
7月に行われた、日本最大の競走馬のセリ市。
海外からかけつけたバイヤーたちの姿がありました。

オーストラリアのバイヤー
「ディープインパクトは世界で最高の馬と認識されている。
だからいま、みな彼の子どもに注目しているのです。」

この日、最高金額がついたのも、ディープインパクトの子どもでした。

「4億7,000万円。」

日本競馬のレベルをあらゆる面で引き上げたディープインパクト。
世界へと広がる夢は続いていきます。

武豊さん
「みんながこういう馬をつくりたいとか、ジョッキーだとこういう馬に乗りたい、明確な目標になりましたよね、ディープインパクトが。
そういう馬は初めてじゃないかな。
自分が乗って、ディープの子で、また(世界最高峰の)凱旋門賞挑戦して、今度は勝ちたいという大きな目標がありますね。」

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