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2019年5月13日(月)

がん研究 寄付金で支援を

和久田
「がんの研究を寄付金で後押ししようという、新たな取り組みです。」

利根川
「東京・渋谷のイベント会場です。
企業や若い人たちが集まって開かれているのが、がんのチャリティー・イベントです。」

おととい(11日)開かれた、このイベント。
みんな、思い思いに「C」を消しています。
これは「deleteC(デリート・シー)」プロジェクトといって、がんの頭文字「C」を消す、つまり、がんを治せる病気にしようという意味なんです。

このアクションを広めて、がん研究への寄付金を集めようと考えています。

和久田
「若者も大勢集まっていましたね。
取材した、利根川アナウンサーです。」

利根川
「普段がんを意識していない人も、気軽に参加できることを目指したイベントなんですが、その発起人がこの人、デザイナーの中島ナオさんです。

乳がんを発症して、今、ステージ4と最も進行した状態にあります。
『がんを治せる病気にしよう』と始めた挑戦を取材しました。」

「がんをデザインする」

大勢の輪の中心にいる中島さんは、常に笑顔。
その姿からは、正直、がんを患っているとは思えませんでした。

中島ナオさん
「外に来て、つらい顔しなくないですか。
(がんに)もっといろいろなイメージをみんなが持ち始めれば、がん自体の言葉がもつイメージも変わっていくかもしれないし、病気すらも変えていけるようなことにつながるんじゃないかと思っていて。」

オフィスなどのデザイナーとして活躍していた中島さん。
5年前に乳がんを発症し、その後、転移が見つかりました。
抗がん剤の影響で起き上がれない日が続いたり、髪の毛が抜けたり、辛い副作用に悩まされました。

そうした中で掲げた目標が、「がんをデザインする」です。
がんになると避けられない、生活上の不自由さや生きづらさ。
それを我慢するのではなく、生活しやすいように作り変えてしまえばいい。
そんな、デザイナーならではの発想です。

中島ナオさん
「がんを患っていても持てる希望を、生活の中で感じたかった。
今の自分に合う新しい選択肢を探して、形にして良くしていけたらなというのが、がんをデザインすることにつながっている。」

中島さんがデザインする「がん」、その一つが、帽子作りです。
がんを理由にファッションを楽しめないのは、おかしいと感じたからです。

中島ナオさん
「髪の毛が薄くて、ニット帽をずっとかぶっていた時期があるんですけど、スカートやきちんとした服を場所によって選べる選択肢がなかなか持てなくて。
そうすると、作るしかない。」

中島さんが作った、髪がなくてもボリュームを出せる帽子です。
肌に優しい素材でかゆみを抑えた帽子は、販売すると、患者だけでなく多くの人に喜ばれました。

広がる“deleteC”

「がんをデザインする」という挑戦。
しかし、中島さんは焦りを抱えています。
今使っている抗がん剤がいずれ効かなくなると、医師から告げられているのです。

中島ナオさん
「いつ体調が変わって、治療も変わって、生活が大きく変わるか分からない。
常に葛藤し続けている。」

元気に動けるうちに、中島さんが進めたいこと。
それは、同じように悩む患者のためにも、一日も早く、がんの研究を後押しする仕組みを作ることでした。

中島さんの思いに、アートや医療関係者など、さまざまな分野の人が賛同。
資金不足に悩む研究を支援するために、寄付金を募ることにしました。
それが、「deleteC」です。
街なかにある「C」を消して、SNSに投稿してもらう。
誰もが参加しやすい仕掛けを用意することで、がんへの関心を高めるねらいです。

今、力を入れているのが、大企業への働きかけです。
活動の輪を一気に広げたいと考えています。

中島ナオさん
「みんなが知っていて、ロゴのかたちとしても認識が持てているものだと、これをのせていただくことで、『deleteC』に賛同していると示せる。」

担当者
「“deleteCやってみた”とハッシュタグをつけて、ツイッターでつぶやきたい。
他社さんもどうですかと(呼びかけたい)。」

そして、おととい。
イベントに協力する企業や団体は、30に上りました。

利根川
「こちらではタオルを売っています。
原料はコットン(COTTON)ですが、オットン(OTTON)になっています。」

Cを消した商品やオリジナルのアート作品を販売。
45万円の寄付金を集めることができました。

中島ナオさん
「ぜひ、思いを示していただきたい。
がんが治せる病気になる日があるのなら、一日でも(早く)たぐり寄せたい。」

高瀬
「『NHK』も、『おはよう日本』も、『C』がないんですよ…。
あったら出したかった!」

利根川
「ということで、『チコちゃんに叱られる!』の『C』を消してみました。
『ヒオはん』になりますね。」

高瀬
「『どうも~、ヒオで~す』って?」

利根川
「さらに、『あさイチ』は『あさイヒ』に。
こんなふうに楽しんで参加してもらって、がんへの関心が高まれば、寄付金を集められるのではないかと考えています。
というのも、日本はアメリカなどに比べて、民間からの研究資金が、はるかに少ないんです。
200億円の寄付金を集めるところもあるアメリカとは大きな違いです。
私たち1人1人の力で『がんの研究』を推し進める。
将来的に、そんな仕組みを日本にも根づかせたいと、中島さんたちは考えています。」

和久田
「未来に向けてスタートしたばかりのプロジェクトですが、これからどう進めていくんでしょうか?」

利根川
「『deleteC』は、今は任意団体ですが、国立がん研究センターの医師や弁護士などの協力を得て、今年(2019年)秋頃の法人設立を目指しています。
一日も早く本格的な活動を始めたいと話していました。」

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