高瀬
「さて、受験シーズンまっただ中ですが、けさは『新しい学びの場』を選ぶ動きについてです。」
和久田
「今、インターネットを生かした通信制の高校を選択する生徒が増えています。
その数18万6,000人ということで、25年前と比べると3万人近く増えているのですね。
背景には何があるのか。
生徒数が急増している1つ、出版や動画配信を手がける『カドカワ』グループが設立した『N高校』の生徒たちを取材すると、中には『自己実現の近道になる』と、積極的に選択していたことが分かりました。」

高瀬
「さて、受験シーズンまっただ中ですが、けさは『新しい学びの場』を選ぶ動きについてです。」
和久田
「今、インターネットを生かした通信制の高校を選択する生徒が増えています。
その数18万6,000人ということで、25年前と比べると3万人近く増えているのですね。
背景には何があるのか。
生徒数が急増している1つ、出版や動画配信を手がける『カドカワ』グループが設立した『N高校』の生徒たちを取材すると、中には『自己実現の近道になる』と、積極的に選択していたことが分かりました。」
リポート:白川貴弘(おはよう日本)
移動の車中で英語のテキストを広げているのは、あのフィギュアスケートの紀平梨花選手です。
N高校の1年生です。
授業は練習の合間にスマホで受けます。
世界の舞台で勝ち抜くには、効率よく時間を使うことが重要だからです。
紀平梨花選手
「スケートの夢と勉強を両立してやりたい。
うまく使える学校かな。」
インターネットの分野でも多彩な人材が活躍しているN高校。
Eスポーツアジア大会の金メダリスト、相原翼さん。
世界中の高校生と競う、情報オリンピックの銅メダリスト、清水郁実さん。
彼らに共通しているのは、世界で戦うために学校が整えた環境をうまく利用していることです。
自分の居場所を得たことで、実力を発揮できた生徒がいます。
2年生の山口莉来さんです。
海外の大学に留学したいと、勉強に励んでいました。
しかし山口さんには、朝、体がだるくなる自律神経系の病気「起立性調節障害」があります。
国際系の高校に通っていましたが、遅刻が重なったため単位が不足し、結局中退することになりました。
何より、教室の中で疎外感を感じたことがつらかったと振り返ります。
「朝起きられないだけで、夢をあきらめたくない」。
そんな時、N高校が、海外の大学への留学プログラムを持っていることを知ります。
先生や友人との交流は、インターネット上というのも魅力でした。
山口莉来さん
「私のことを応援してくださる、すごくいい人たちに出会えたのがすごく大きい。」
1人の勉強も孤独にはなりません。
一緒に授業を受けている仲間の反響が画面に表示されるからです。
山口莉来さん
「たまにこういう雑談を聞いたりして、楽しく授業を受けている。」
分からなくなったらいつでも先生に質問できます。
親身になって助言してくれる返信。
先生と身近につながっている感覚が支えになります。
山口莉来さん
「今、遠慮しておこうかなと思っても、ぽんと送れば、先生が返したいタイミングで返してくれるから、気を遣わなくていいのがいい。」
そして去年(2018年)の夏、憧れのスタンフォード大学に短期留学を果たしました。
誰にも煩わされず、自分のペースで勉強できた結果です。
山口莉来さん
「これからやりたいことができるかもしれないという、道が開いたような。可能性がいっぱいある。」
伸ばしたい分野のサポートを受けることで、自分でビジネスを立ち上げた生徒もいます。
3年生の出川大和さんです。
これは出川さんが携わった企業のホームページやアプリです。
出川さんは、インターネット関連の仕事をしたいと考えていたため、N高校に進学することに迷いはありませんでした。
出川大和さん
「学校行き、とりあえず進学して、仕事を見つけようかより、好きなことを見つけて、そこに向かって進んで行く形がいい。」
出川さんがプログラミングの腕を磨いているのが、N高校のプログラマー養成クラスです。
通信制の高校ですが、希望すれば現役プログラマーの講師から直接指導を受けることができます。
今、出川さんが取り組んでいるのは、色覚障害者や幼い子どもなど、誰もが楽しめるオセロのアプリです。
出川大和さん
「押せるところがわかっていて、押せないと音が鳴る。」
どうすれば斬新な開発につながるか—。
しかし、先生はすぐには答えを教えてはくれません。
出川大和さん
「やってみるじゃないですか。
あれ、インジケータがない(画面に表示が出ない)。」
プログラミング講師 佐藤雄一さん
「今は何も考えずプログラムを書けばいいんじゃないかな。」
先生は生徒のアイデアを引き出したり、課題を設定させる役割に徹します。
プログラミング講師 佐藤雄一さん
「向上心を後押しする。
本人が気づかない視点でアドバイスできるような。」
出川さんはこのアプリをより改良し、ゆくゆくは商品化につなげたいと考えています。
出川大和さん
「これで僕が生きていけるんだという、新しい道を発見したときの、初めて体験する楽しみって結構大きい。
僕の中の一番の収穫ですね。」
専門家は、今後も通信制の高校を積極的に選ぶ生徒が増えると分析しています。
教育ジャーナリスト 後藤健夫さん
「これまでの一律に学ぶことが、ある意味では重宝された。
ただ、これからの世界は自分の得意なことを伸ばしていく。
生きがい、やりがいを高校時代にいかに見つける方法を知っているか。
これからの教育で問われる。」
高瀬
「もちろん、やむを得ず通信制という場合もあるでしょうが、積極的、能動的に通信制を選ぶということができるようになってきたんですね。」
和久田
「高校生の段階から、こんなに目標意識が強いというのも驚きましたね。
こうした通信制高校は、生徒数が増えているだけでなくて、高校の数も平成に入ってから様々な業界が参入したことで30年前の3倍に増えているということなんです。
こうした多様な学びの受け皿、みなさんはどのように考えたでしょうか。」