ノ-マークの火口への対策に乗り出している地域もあります。
十勝岳のふもと、北海道・上富良野町です。
先週、町の職員が、ある温泉宿を訪れました。
上富良野町 防災担当 櫻井友幸さん
「チラシを作った。
『もしかしたら噴火する可能性があります』という。」
これまで十勝岳で噴火が警戒されてきた、「62-2火口」。
しかしこれとは別の火口でも、噴火のおそれがあることが明らかになりました。
「ヌッカクシ火口」です。
これまでノ-マークだったこの火口、宿からは、わずか1.6キロの場所です。
宿では、注意喚起の文書を玄関に掲示。
入山届の横にも置き、登山客に呼びかけることにしました。
この宿では、噴火の発生時に、観光客を食堂に避難させる計画でしたが、その見直しの必要性が出てきました。
食堂の窓ガラスは、ノ-マークだった火口の方角を向いているのです。
十勝岳温泉 凌雲閣 青野範子さん
「このガラスは(ノ-マークの)ヌッカクシ火口に面してるので、万が一噴火したときには、このガラスが影響されるのかな。」
上富良野町 防災担当 櫻井友幸さん
「ここは完全に噴石だらけになる。」
このため、観光客をすぐに地下へ誘導することにしました。
地下であればより安全と考えたのです。
十勝岳温泉 凌雲閣 青野範子さん
「ここの廊下、100人くらい入れるかな。」
十勝岳温泉 凌雲閣 青野範子さん
「(客の)安全を確保していかないといけないので、万が一のときは『こう逃げるよ』『誘導するよ』というのを、私たちのほうが備えておかないといけないと改めて思う。」
上富良野町 防災担当 櫻井友幸さん
「あまりにも危険性を前面に出すと観光の人が来なくなる、ではなくて、上富良野町は火山とともに生きている、共生している。
前向きに考えれば、楽しむためには危険性をちゃんと押さえておくのが大切。」