これまでの放送

2018年12月21日(金)

有馬記念・注目の「オジュウチョウサン」

高瀬
「競馬に興味がない人もぜひご覧いただきたい、23日に行われる有馬記念の話題です。」

和久田
「出走する馬を決めるファンの人気投票で、今年(2018年)は異色の経歴を持つ馬が選ばれました。
こちら、『オジュウチョウサン』です。
人気のある平地のレースでは芽が出なかったことから、生け垣や急な坂などがある障害レースを主戦場にしてきました。」

高瀬
「この障害レースを走りながらメキメキと力をつけてきた、オジュウチョウサン。
一度は退いた平地のレースに舞い戻り、強豪がしのぎを削る有馬記念に挑みます。」

ファン投票で10万票「オジュウチョウサン」

スターホースが名勝負を演じてきた、有馬記念。
ことしのファン投票で10万票以上を集め、出走を決めたのが「オジュウチョウサン」です。


得意とする障害レースでは2年間負けなし。
「無敵の障害王」と呼ばれます。

しかし、有馬記念は平地を走るレース。
通用しない可能性もあります。

ファン
「勝てるかどうかわからないけど、夢だよね。」

ファン
「あっといわせるような。
盛り上げてほしい。」

ファンの後押しをうけるオジュウチョウサン。
スターホースとはほど遠い、苦難の道のりを歩んできました。

気性が荒く言うこときかない

およそ2千頭の競走馬がいるJRAのトレーニングセンターです。


オジュウチョウサンは4年前、移籍する形で現在のきゅう舎にやってきました。
それ以来世話を続けている、きゅう務員の長沼昭利さんです。
気性が荒く、人の言うことを全くきかないオジュウチョウサンに手を焼いてきました。

きゅう務員 長沼昭利さん
「この子が立ちあがって制止しようとしたら、バンバンバンと。
あばらを三本も骨折して。」


かつての映像です。


騎手が促してもゲートになかなか入りません。
平地のレースでデビューしたものの、全く勝てず、障害レースに転向。
当初は、それでも勝てませんでした。
しかし、その暴れ方に、ケタ違いのパワーを感じたという長沼さん。
人との信頼関係を築くため、どんなに暴れても丁寧に世話をすることを心に決めたといいます。

きゅう務員 長沼昭利さん
「持っているものは、最初からいいものがあったと思う。
出し切れてなかった。
あきらめずに、もう少しこの馬を長い目で見ようと。」

聞こえやすくなった耳・快進撃

さらに飛躍のきっかけをつくったのが石神深一騎手です。
長い距離を走ってもまったくバテない、強靱なスタミナに大きな可能性を感じていました。

石神深一騎手
「初めて乗ったときに、まじめに走れば、大きいレースに勝てるんじゃないかなと思いました。」


オジュウチョウサンはデビュー以来、「耳あて」をつけていました。
通常、気性が荒く、周りの音に反応してしまう馬がレースに集中できるようつけます。
これを本番のレースでは外してみようと提案したのです。


常識とは逆の発想。
しかし聞こえやすくなった耳に合図を出すことで、意思疎通ができるようになりました。

そして快進撃が始まります。


途中、トップを走る馬に大きくひき離されます。
かつてならレースを諦めてもおかしくない展開。


しかし、負け続けていたころとは別の馬のように変貌を遂げました。

石神深一騎手
「あきらめずにやってきてよかったと思いますし、オジュウチョウサンもあきらめずに応えてくれたので。
ジョッキーとしてうれしく思います。」

「一流とぶつけてみたい」

その活躍ぶりに、オーナーの長山尚義さんは平地のレースへの再挑戦を決めました。
そして再挑戦のレースも圧勝。
ファンの心をつかみ、有馬記念への切符を手にしました。

オジュウチョウサンオーナー 長山尚義さん
「障害馬というと、マイナーな馬というレッテル。
もう障害では頂点だから。
頂点を極めたんだから、一流とぶつけてみたい。
そこだけですよ。
夢とロマンですね。」


有馬記念では、武豊騎手がオジュウチョウサンに騎乗します。
なんとか勝たせてやりたいという長山オーナーの熱意に武騎手がこたえました。

武豊騎手
「ファンの夢を受け止めていいレースをしたいですね。
がんばります。」

後ろ足を大きく蹴り上げ『俺にまかせとけ』

有馬記念まで10日を切ったこの日。
オジュウチョウサンは障害を使った調教を行っていました。
有馬記念で勝つために、あえてこれまで強くなってきたやり方を貫きます。

オジュウチョウサンにはときおり見せるしぐさがあります。


後ろ足を大きく蹴り上げました。
調子がいい証拠だといいます。

きゅう務員 長沼昭利さん
「『俺にまかせとけ』ってそんな感じに見えるんですね。
余計なことをしようとすると『いつもどおりしろよ』とこの子が言い聞かせているようで。
きゅう舎一丸となって、全員で最高の状態に仕上げてもっていくつもりでいます。」


あさって(23日)行われる平成最後の有馬記念。
オジュウチョウサンの走りから目が離せません。

まるで少年漫画の主人公

和久田
「荒っぽいけれども底知れぬ可能性を感じさせて、頂点まで上りつめていくという姿は、まるで少年漫画の主人公みたいですね。」

高瀬
「オジュウチョウサンは現在7歳だそうで、競走馬の場合、多くが引退している年齢です。
遅咲き、というのも応援したくなる理由かもしれませんね。」

和久田
「注目の有馬記念は12月23日・日曜日、NHK総合でお伝えいたします。」

Page Top