これまでの放送

2018年12月17日(月)

飲食店の無断キャンセル問題

和久田
「12月も半ば。
忘年会のシーズンを迎えていますが、そんなとき利用するレストランや居酒屋などの飲食店が、いま、直面している問題があります。」

予約時間を過ぎても…

週末、忘年会でにぎわう居酒屋チェーンです。
この日、多くの予約が入る中、ちょっと困った様子の店員がいました。

店員
「11と12ってお見えになられてないよね。」


予約時間を過ぎても、現れるはずの客が来ません。

店員
「だめですね、(電話が)かからないです。」

無断キャンセルです。
店では30分経っても客が現れなかったため空席扱いに。
しかし、こうした席、新たな客に入ってもらうのが難しいんです。

ざうお新宿店 小倉久実さん
「次のご予約が入っていて、お時間に制限がどうしてもでてきてしまうので。」

店では事前の予約に合わせ1組2時間を目安として席の回転スケジュールを組んでいます。
そのため、空席に新たな客を入れたとしても、次の予約の前には、席を空けてもらわなければならないのです。


結局この日、時間に制約のある席に入る客はいませんでした。

ざうお新宿店 小倉久実さん
「お席が空いてしまうということもそうですし、食材がムダになってしまうことがございます。」

「つい」ドタキャン

こうした無断キャンセル。
「ついやってしまった」という声も。

街の人
「予約をしていた日があったが、友だちと予定があって、当日は行かなかった。」

街の人
「仕事が長引いて、(予約の)時間行けないから、『もうほかのとこでいいか』となって、ドタキャンはあったりします。」

法律上は「債務不履行」

一方で、客が責任を問われるケースも起きています。
今年(2018年)、都内の飲食店が、40人の宴会の予約を無断キャンセルしたという客を訴えたのです。
結果は、店側の勝訴。
裁判所は客側に、40人分の料金13万円あまりと訴訟費用の支払いを命じました。

この裁判に関わった、石﨑冬貴弁護士です。
店への予約も「契約」として捉えることが出来ると指摘します。

石﨑冬貴弁護士
「(予約は)口頭でも契約が成立しているので、客側が一方的に行かないということは、法律上は『債務不履行』。
キャンセル料は取られる。」

被害は年間2,000億円

高瀬
「取材に当たった、山田ディレクターです。
『無断キャンセル』が訴訟にもなっているんですね。」

山田剛史ディレクター(おはよう日本)
「そうなんです。
ただ、費用もかかるため、裁判にまで発展するというケースは、ほとんどありません。
取材をしてみると『予約していたことをうっかり忘れた』という人も多くいました。
結局、ほとんどの店が泣き寝入りするしかないのが現状です。」

和久田
「この問題、どれくらい深刻になっているんですか。」

山田ディレクター
「被害は、こちら。
クレジットカード会社が試算し、国などが今年発表したものですが、全国で年間2,000億円にも上ると見られています。」

高瀬
「かなりの額、かなりの損失があるというわけですね。」

山田ディレクター
「はい、莫大な損失額が初めて明らかになったことから、先月(11月)、全国の飲食店が加盟する業界団体などは『無断キャンセル』した客に対して、キャンセル料金を請求できるという指針も初めてまとめました。
そうした状況を受けて、今月の忘年会シーズンから、IT技術を活用した対策も始まっています。」

IT技術を活用した対策

報告:山田剛史(おはよう日本)

都内にある飲食店です。
店を1人で切り盛りする、中田志保さん。
電話やホームページで受け付ける予約の無断キャンセルに頭を悩ませてきました。

中田志保さん
「こちらなんですけど、うちの予約台帳でして。
無断キャンセルの方も。」

先週、中田さんはIT企業が開発した新たな予約システムを導入しました。

これは店で予約を管理する画面です。


電話やネットと連動し、予約が入ると客の携帯電話などに、ボタンひとつでメッセージを送信できます。
客が、届いたメッセージを開くと、
クレジットカード情報の入力画面が現れ、入力して、はじめて予約が完了するというものです。
「無断キャンセル」が発生した場合、カードからキャンセル料が引き落とされます。

落語・小料理 やきもち 中田志保さん
「クレジットカード情報を聞くことによって、意識を持ってご予約をしていただける。
キャンセルをされない状況を作るのに、非常に役に立つと思っております。」

他の客を見つけるシステム

さらに、無断キャンセルが出た場合、他の客を見つけるというシステムの開発も進んでいます。
現在、都内の飲食店、店舗で導入試験中です。

無断キャンセルが発生した場合、店側はリアルタイムで空席の情報をシステムに載せることができます。


すると、専用の検索アプリが瞬時に更新され店を探すお客さんに情報が届くのです。


飲食店の意見も踏まえながら、IT企業が改良を重ね、来年2月に本格運用が始まる予定です。

KNOCK恵比寿店 大西淳一さん
「空いた情報をお客さまが拾ってくれて、ご予約をもらえるというのは夢のようです。」

店と客の関係が良くなるように

和久田
「やはり1番はお客のモラルの問題だと思うのですが、お店側にしてもお客さんには強く出られないという部分もきっとありますよね。
ですから、技術でそれをカバーするというのは、有効な方法のひとつだと思いました。」

山田ディレクター
「はい。
飲食店とIT企業は協議会をつくり、こうした取り組みを推進しようとしています。
理事長の中村仁さんは、『技術を使うことで、無断キャンセルを未然に防ぎ、店と客との関係が良いものになるような環境を作っていきたい』と話しています。


ご紹介した、事前に情報を登録するような仕組みは、航空券の予約購入などでも行われていますし、海外の飲食店ではすでに広く行われています。
技術も活用しながら、無断キャンセルが減っていってほしいと思います。」

Page Top