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2018年12月12日(水)

平成30年の歩み『インターネット』

高瀬
「今週、シリーズでお伝えしている、平成の30年。
きょうのテーマは『インターネット』です。」

和久田
「平成の間に大きく進化したインターネット。
その普及率は、この通り30年で急激に伸び、いまや、日本人の8割以上が利用しています。
インターネットは、この30年で私たちを、どう変えたのでしょうか。」

人気ユーチューバーに聞く「平成」

私が訪ねた、こちらの男性。
誰だか分かりますか?
ネットの世界では、ものすごく有名な人なんです。

いま、絶大な人気を誇るユーチューバー、「はじめしゃちょー」さん。
チャンネル登録者数は日本で最も多い、719万人。

Q:「好きなユーチューバーは?」

街の人
「はじめしゃちょー。」


小学生
「やっぱり、はじめしゃちょーさんがおもしろいです。」

小学生
「ちょっとしたひとことでも笑っちゃう。」

累計の動画再生数は、なんと50億回以上にものぼる、まさに「ネット時代の申し子」です。

和久田
「インターネットの魅力、何だと思いますか。」

ユーチューバー はじめしゃちょーさん
「いろいろできるし、すごく可能性感じます。
ネットがあってこそ、『はじめしゃちょー』という存在ができたので、ありがたいです。」

和久田
「平成という時代に、どんなイメージを持っていますか?」

ユーチューバー はじめしゃちょーさん
「静かで平和そうなイメージに見えて、ネットが進化したこともあってか『裏で目まぐるしく動いていた時代』という印象があります。」

電話回線に始まりスマートフォンへ

実は、平成の初めには、まだ一般向けのインターネットはありませんでした。
研究者など限られた人たちの間で行われていたのが、電話回線を使った「パソコン通信」です。

「電話機で相手に電話をして、通じたら(受話器を)乗せるだけ」


平成4年からインターネットのプロバイダーがサービスを開始。
ビジネスマンなどが四苦八苦しながら、パソコンと向かい始めます。

「『画面の上にマウスをあげてください』という指示をしたときに、(マウスポインタではなく実際の)マウスを持ち上げてしまった。」

  

平成7年11月、基本ソフト「ウインドウズ95」が発売されると、多くの人々がネットを気軽に使い始めるように。
そして、「iPhone」など、スマートフォンの登場で、ネットは劇的に広がりました。

想像できなかった進化

平成元年から専門誌の編集に携わり、ネットと社会を見続けてきた福岡俊弘さんです。
スティーブ・ジョブズ氏の発表を会場で聞いて、「時代が大きく変わる」と感じました。

『週刊アスキー』元編集長 福岡俊弘さん
「誰もがパソコンを持ち歩くようになった。
人間の計算速度の50億倍くらいの処理能力を持つパソコンを、みんなが持ち歩いている。
とてつもないこと。」


銀行の決済や買い物。
ネット上の地図は、人工衛星ともつながり、位置情報も共有できるまでに。
開発担当者も、想像すらできなかった進化でした。

ゼンリン 二又博之さん
「インターネットとデバイスの普及が融合して、驚きを越している。
全く違う世界。」


SNSや動画投稿サイトも次々に登場。
人々は、自分を「発信」をするようになりました。

「誰かとつながってる感」

そうしたなかで、一躍、日本トップのユーチューバーとなった「はじめしゃちょー」さん。

和久田
「SNSはおもしろかったですか?」

ユーチューバー はじめしゃちょーさん
「不思議な感覚で、『誰かとつながってる感』がある。
ほかの人に見られると、ちょっとうれしいなみたいな。
自分がやりたいことをやって、見ている人が喜んでくれることが、完璧にかみ合ったりすると、めちゃくちゃうれしい。
どんどんやりたい。」

「ネットのおかげで出会えた」

そしていま、こんな人たちも。
今年(2018年)結婚した、こちらのカップル。
ネットで知り合い、はじめて直接会ったその日から結婚を前提に、ともに暮らし始めました。


「職場だけで数十名に限るよりも、ネットで数万人にアプローチして、『どうですか』と問いかけたほうが、自分にマッチする人に会える可能性が高い。」


「ネットじゃないと接点がないので。
出会えていない。」


「ネットのおかげで出会えた。」

社会に根付いた膨大な「つながり」

平成の30年。
ネットによって、直接あい対することのない、膨大なつながりが社会に根付きました。

『週刊アスキー』元編集長 福岡俊弘さん
「常に(ネットで)誰かとつながった状態で生きている。
どんな時でも、どこにいても、誰かと常ににつながっていられることは、平成30年間、特に21世紀になってから起きた、大きな出来事だと思います。」


高瀬
「みなさんはどう受けとめたでしょうか。
誰かといつでもつなっがっていられる時代になったということは、それだけ、孤独をおそれる時代になったとも思いますね。」

和久田
「いろいろな受け止め方がありそうですよね。
はじめしゃちょーさんに実際に会ってみると、ごく普通の25才の青年という印象でした。
そんな個人が、いまや、700万人を超える人に影響を与える時代で、ご本人も、『いろいろな人に見られている実感がないから不思議』とおっしゃっていました。
まさにネットの時代を象徴しているなと感じましたね。」

高瀬
「ブラインドタッチの練習もしましたよ、大学の時に。」

和久田
「ネットを通じて、誰もがつながるようになった平成。
次の時代は、私たちがどうネットと向き合うべきかが問われています。」

「ネットのつながり」の力

大勢の人たちがつながることを可能にした、インターネット。
その輪が広がるにつれて、ネットはトラブルのきっかけにもなってきました。
犯罪に巻き込まれるケースや、書き込みによって誹謗中傷などが繰り返されるケースが相次いでいます。

一方で、「ネットのつながり」の力が生かされた場面もありました。
宮城県気仙沼市に住む内海直子さん。
平成23年の東日本大震災。
児童福祉施設の園長だった内海さんは、激しい揺れのあと、子どもたちを連れて隣の公民館に避難しました。
しかし、すぐに津波が押し寄せ公民館は孤立。
夜には周辺で大火災が発生しました。

内海直子さん
「津波が来たあと、まるで船に乗っているような感じ。
まわりが海だったので、誰も助けに来られなかった。
本当にダメかと思った。
火の海に囲まれて。」


ところが翌朝。
突然、東京消防庁の隊員たちがヘリコプターで駆けつけ、子どもや高齢者400人あまりの命が救われたのです。
なぜ、救助に駆けつけてくれたのか。
隊員の言葉に内海さんは耳を疑いました。

内海直子さん
「東京消防庁の方が『息子さんからの要請で』と言って入ってこられた。
イギリスにいる息子が救助を求めたとは、夢にも思いませんでした。」


実は内海さんは、情報も電気もないなかで、携帯電話で家族に「もうダメかもしれない」とメールをしていました。
このメールを見た、イギリスに住む長男は、すぐに母の状況をツイッターに投稿。
すると、ネット上で投稿が広がり、これに気づいた東京都が隊員を派遣したのです。

内海直子さん
「その時は『信じられない』という気持ちで。
『なぜ?』と。
(当時)ツイッターの存在も分からなかったんですよね。
みなさんのいろんな思いがつながって、本当に信じられないことで助けて頂いたなと思いました。」

どう向き合うか考えなければいけない

高瀬
「ネットといえば、最近はトラブルなど、悪い部分が注目されがちですが、発信することなどで、思わぬ力を発揮するということもあるんですね。
それだけに、どう向き合うか、考えなければいけないと思います。」

和久田
「『はじめしゃちょー』さんは、ネットのマナーなどを教える『教育』がこれからの時代、もっと必要になるのではないかと話しています。
そして平成の30年間、ネットと社会を見続けてきた専門誌の元編集長、福岡俊弘さんは『犯罪予告などの有害情報の発信者を即座に追跡できる技術も発展してきている、今後もインターネットの負の面を克服するような技術の進化に期待したい』と話していました。」

高瀬
「つぎの30年の進化は、どうなっていくんでしょうか。」

和久田
「これからも見守りましょう。」

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