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2018年11月14日(水)

「#父親を嫌いに…」お父さん、どうしたらいい?

高瀬
「次は、娘さんを持つお父さんたちにとって、切実な話題です。」

#私が父親を嫌いになった理由

今年の夏以降、ツイッターで、あるハッシュタグが注目を集めています。
私が父親を嫌いになった理由。
大人になった女性たちが、子どものころに父親を嫌いになったきっかけを続々と投稿しているのです。
初めて生理が来たとき、『もう女になったんだな』と言われた。
『ひげじょりじょり』と言ってほっぺにヒゲをすりつけてきたのが嫌だった。
私が成りたい職業、行きたい学校、すべて頭ごなしに却下された。


ツイッターで発信した1人、24歳の女性です。
父親を「嫌いだ」と強く思ったのは、小学4年生のころでした。

アカウント名 サクマにな子さん
「最初にすごい嫌だなと思ったのが『生理来たか?』と聞かれてたことです。」

さらに。

アカウント名 サクマにな子さん
「ふざけ半分でくすぐるのをやめてくれなかった。
こちょこちょされていると、笑ってしまう。
笑っていると楽しんでいると思ってやめない。
すごく不快で、苦痛でした。」

両親が離婚したため、10年ほど前から父親には会っていません。
それでも、強い嫌悪感は今でも消えないと言います。

アカウント名 サクマにな子さん
「もし目の前に今もいると仮定したら、しゃべれないし、大事な相談はしない。
孫が生まれたら、絶対に会わせないです。」

愛情表現のつもりが…

愛情表現のつもりが、娘の心を傷つける。
こうしたことは、どの家庭でも起こりえると専門家は言います。

子どもの発達に詳しい 福井大学(小児神経科医) 友田明美教授
「小さい時から当たり前のようにしてきた習慣で、押しつけてしまうことはよくない。
10年か20年たったあとに、父親から自分にとって不適切な関わりをされたことを思い出してしまい、不安やパニックを出してしまう方もいる。」

成長した後にやられると…

高瀬
「子どもが小さい頃に放った自分の一言が、大人になっても深い傷として残るというのは深刻な話ですよね。
和久田さんは、娘の立場ではどうですか?」

和久田
「わたしは父との関係は良好ですが、やはり中学生の頃は、周りにお父さんのことが嫌いという人は多かったと思います。
子どもからすると、くすぐられることとか小さい頃は楽しかったことでも、成長した後にやられるとやっぱり嫌ですよね。」

高瀬
「父親としては、『思春期』や『反抗期』と言って片づけてしまいがちですが、どこで娘の気持ちが変わるのか、気付くのはなかなか難しいのではないでしょうか。」

和久田
「今まさに子育て中のお父さんたちも悩んでいます。」

どこで娘の気持ちが変わるのか

父親の育児を支援しているNPO。
小学生の娘を育てる父親たちの声を聞きました。

参加者
「スキンシップや関わり方が、今までの延長線上でやっていけるのか。」

参加者
「徐々になのか、突然なのか。」

話題にのぼったのは、やはりこの悩み。

小学2年の父親
「今、小学校2年生だと、普通にお風呂にも(一緒に)入れる。
どこかでそれができなくなる瞬間がきっとくるんだろうなと。」


娘の気持ちを大切にしたいという父親たち。
でも、微妙な変化を読み切れず、困惑しています。

小学4年の父親
「うちは、4年生なんですけど、こっちから行くと嫌だって逃げる。
でも、普通にソファーで本を読んでいると、むこうからまだくっついてくる。
これが来年、再来年どうなるのかなと思います。」

普段からの関係が大事

高瀬
「ここからは、家族社会学が専門の臼田明子さんとお伝えします。
今出てきたお父さんたちも戸惑っていましたね。」

臼田さん
「VTRのお父さんたちは、娘の気持ちを理解しようとこんなに熱心ですので、きっと大丈夫です。
仮に娘が嫌がることをしてしまったとしても、普段からどういう関係を築いているかが、大事なんです。」

高瀬
「と、言いますと、どういうことになりますか?」

臼田さん
「私が行った調査にヒントがあります。
20代の男女1,000人に、子どもの頃の父親との関係を聞きました。
女の子によくある、『お父さんと洗濯物は別に洗って』という問題です。」


和久田
「洗濯、別問題。
よくありますよね。」

臼田さん
「全体では12%の女子が別に洗ってもらっていたんですが、ある特徴のあるお父さんに限ると、38%に跳ね上がるんです。
どんな特徴を持ったお父さんだと思いますか?」

高瀬
「お酒を飲むお父さんで、酒臭い?」

和久田
「においとかでしょうか?」

臼田さん
「それもありそうですが、正解は、『話を全く聞かない父親』だったんです。
つまり、信頼関係が築けていない父親は嫌われやすいんです。
裏を返すと、話をちゃんと聞いて関係が築けていれば、多少のことがあっても受け流せるということなんですね。
これは、娘だけではなく、息子にも言えることです。」

何を聞けばいい?

高瀬
「『話しを聞く』というと、何をどう聞けばいいのでしょう?」

臼田さん
「一番多かったのは、『今日の出来事』です。


学校であったことでも、見ているテレビの話題でも、何でもいいんです。
大事なのは聞くことで、お父さんが娘の話を聞くということで、決して、お父さんの話を娘に『聞かせる』ことではありません。」

高瀬
「そこは大事なポイントな気がします。
聞き方のコツみたいなところを教えていただきたいです。」

いい加減な返事をしない!

臼田さん
「まずは、『いい加減な返事をしない』ということです。
『へー』『ふーん』など言ってしまっていると、娘はお父さんが真面目に話を聞いてくれていないと思ってしまいます。
メモなどをして、娘の交友関係や話の内容などを暗記しているぐらいが良いです。
そうすると、お父さんはちゃんと聞いてくれている、話す内容も覚えてくれている、と思うわけです。」

和久田
「そこで信頼を積み上げていくわけですね。
そしてもう1つありますね。」

高瀬
「“指導”ではなく、“共感”。


子どもが困っていたりすると、ついつい教えたくなってしまいますが…。」

臼田さん
「そこが、お父さんが陥りやすい問題なんですね。
お父さんというのは、『こうした方がいい!』という問題解決型の人が多いのです。
そうではなく、娘はただ共感をしてもらいたい。
『それは、つらいね』などと共感してあげることが大事なんです。」

高瀬
「自分の失敗談を話して『こうするといいよ』と言うのは、どうでしょうか?」

臼田さん
「それはとても良いですね。
お父さんに親近感を持ちますから、気持ちも届きやすいと思います。」

コミュニケーションが大事!

和久田
「『妻にも協力を求めよう!』とありますが、お母さんの存在も大事ですか。」

臼田さん
「お母さんの方が話しやすいという娘さんが多いので、お母さんが、娘の話をお父さんに伝える『家庭内通訳』の役割を担うといいとおもいます。
例えば、『お風呂に一緒に入るのは、そろそろ嫌みたいよ?』などとこっそりお父さんに教えてあげる。
そういったコミュニケーションが理想的ですね。」

高瀬
「夫婦間のコミュニケーションも大事ということなんですね。」

臼田さん
「そうですね。」

和久田
「ここまで、昭和女子大学の臼田明子さんにお聞きしました。」

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