これまでの放送

2018年10月15日(月)

“重すぎる”ランドセルの対策

高瀬
「特集は、大沢アナウンサーとお送りします。」

大沢
「おはようございます。
最近ランドセルの中身が重いということが話題になっていますが、高瀬さんこちらを背負ってください。」

高瀬
「重い!
大人が普段持つカバンより重いかも。」

大沢
「こちら、大体5キロくらいあります。
ある専門家が調べた、小学1年生から3年生のランドセルの平均的な重さなんだそうです。
こうしたことが問題になり、文部科学省は先月(9月)、教科書を学校に置いていくなど、子どものために配慮を求める通知を出しました。
いま何が起きているのか、取材してきました。」

牛乳パックを5本以上背負っている計算

都内の学童保育施設です。
この日は学校帰りの小学1年生から4年生までの30人がいました。
その一角で。

大沢
「なんの作業をされているんですか?」

「今ですね、ランドセルの重さを量っています。」

大正大学の白土健教授です。
各地でランドセルの重さを調べています。

大正大学人間学部 白土健教授
「整形外科医で聞いても、(ランドセルの)重さは体重のだいたい15%。
これを越えると体には良くないと聞いている。」


こちらの男の子の荷物の重さはどうでしょうか。
2年生の場合、大体3.6キロ以下がのぞましいのですが…。

大沢
「5.37キロ!
5キロ超えましたね。」

1リットルの牛乳パックを5本以上、背負って通っている計算です。
ランドセルの中の荷物を見せてもらうと。
筆箱、教科書、問題集、それに連絡帳。
続々と出てきます。

大沢
「国語だけでこんなにあるんですか。」

教科書に、問題集と漢字練習帳など国語だけで6冊。
この女の子も2年生。

大沢
「5.14キロ。」

2年生
「もうちょっと軽くできないのかなって感じ。
学校に行くのもつらいし、肩が痛くてしょうがない。
(学校を)休みたくなる。」

白土先生がここで調査を行うのは3回目。
これまでの平均は、5.4キロ。
以前には手提げも入れて9.7キロという1年生もいたんだそうです。

大正大学人間学部 白土健教授
「本来だったらウキウキして学校へ行くところが、トボトボ歩く。
(ランドセルの)中身は学校の期待と親の期待がいっぱいで、子どもたちは本当に苦労して通学してるのが分かります。」

重量化の一途をたどる教科書

ランドセルが重くなった理由の一つは教科書の改革です。
訪ねたのは、教科書専門の図書館。
2011年。
それまでの“ゆとり教育”から“脱ゆとり”へ。
授業時間が増え、教科書のページも増えたのです。
国語、算数、理科、社会。
重ねて比べてみると、。
主要4科目だけでも、これだけ厚さが増えています。


大沢
「実際、中を見てみると結構カラフルだなっていう印象があります。」

図解やイラストをふんだんに使い、子どもの興味を引くような内容にしたこともページの増加につながっています。

教科書研究センター 細野二郎特別研究院
「(教科書は)昔は教師が教える教材という意味合いが強かった。
(今の教材は)一人でも学習できるようになっている。」


さらに年間を通していつでも復習できるように、かつて上下に分かれていた教科書も1冊に。
さまざまな工夫の結果、教科書は重量化の一途をたどっていったのです。

ランドセルの目安 体重の15%以下

和久田
「私たちは実感がありませんでしたが、教科書の変化を見ると、やはり大変ですね。」

高瀬
「中身重視で、重さはあまり考えられていなかったのでしょうか。」

大沢
「いかにずっしり重いものを背負っていたかというのがわかるかと思うのですが、当然、体への影響もあり、腰痛や肩こりなども増えているそうです。
整形外科医の久野木順一さんによると、腰や肩への負担を避けるため、ランドセルの重さは体重の15%以下を目安にするのが好ましいということです。」

大沢
「一体どのくらいかと言いますと、こちらです。
各学年ごとの標準的は体重から割り出したランドセルの重さの目安です。
2年生は3.6キロが目安になります。
VTRに出てきた2年生は5キロを超えていたので、いかに重たいものを持っていたかというのがわかると思います。」

大沢
「こうした中で、いま注目されるのが、“置き勉”です。
自宅学習で使わない教科書などを学校に置いて帰るというものです。
この“置き勉”をいち早く取り入れている学校を取材してきました。」

軽いショルダーバッグで通学

東京・世田谷にある私立小学校です。
遠くから通う子もいるため1、2年生の間はランドセルより軽いショルダーバッグで通学します。
家に持ち帰るのは、図書室で借りた本に、水筒、筆記用具、ノート数冊。
カバンの重さを量ると。

大沢
「1.78キロ。」

ほかの子たちも。

大沢
「1.57キロ。
…1.53キロ。」


みんな1年生の平均体重の10%以下です。

大沢
「教科書はふだんどこにあるんですか?」

生徒
「自分のロッカーに置いてあります。」

教科書は教室の後ろにあるロッカーに入れて帰る決まりです。

宿題は毎日、国語か算数、どちらかのプリント1枚のみ。
授業にあわせて学校が準備しています。
低学年の間は、学校の勉強以外に、スポーツや読書など興味のあることに取り組んでほしいというねらいです。

昭和女子大附属昭和小学校 奈木野昌一先生
「学校に来るときに重い荷物を持って、今から行かなくちゃいけないっていう心の負担を取る意味でも、『きょうは楽しみに学校に行く』という環境を、私たち大人が作ってあげる必要がある。」

負担を減らす取り組み 各地で

大沢
「“置き勉”に関しては、各地で取り組みが始まっています。
千葉県のこの学校では、先生たちがロッカーを渡り廊下に作って、図画や習字の道具を置いて帰れるようになり、負担が軽くなりました。
ほかにも、例えば、学校の帰りの会で先生が持って帰る必要のない教科書を細かく確認したり、あるいは、門の前であいさつをするときに、先生が重そうな荷物を持っている子に声をかけて、先生どうしが情報を共有したりするといった取り組みが行われています。
特に週の初めや終わりは、普段の荷物のほかに上履きや体操服など、一層荷物が増えますよね。
しかもその上で雨が降ったりすると、身動きがとりずらくなります。
子どもの安全面を考える上でも、こうした負担を軽減する取り組みは必要だと改めて感じました。」

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