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2018年9月28日(金) NEW

奇跡の巨岩「孀婦岩」に迫る!

高瀬
「特集は、『奇跡の絶景』とも言われるこちらです。」

波の中に垂直にそびえ立つ岩

天に突き刺す巨大な岩。
東京から南に650キロ。
大海原にそびえる「孀婦岩(そうふがん)」です。
1年を通して大きな波が打ちつけ、これまで人を寄せつけてきませんでした。
この岩はどのようにできたのか。
今回、NHKと産業技術総合研究所など研究機関が協力。
岩の上から海底まで、初めてとなる調査を行いました。
はたして、どんな発見があったのでしょうか。


高瀬
「なんとも不思議な絶景ですね。」

和久田
「陸地から遠く離れた場所に、これほど垂直に岩がそびえ立つのは世界でここだけなんだそうです。
そこで今回、岩の成り立ちを詳しく調べるために、海底や岩の中腹、そして山頂など、あらゆる場所からサンプルを採取することを目指しました。
荒波が落ち着き、孀婦岩に近づけるチャンスと言われる5月、断崖絶壁に挑みました。」

波が打ちつける断崖絶壁に挑む

リポート:小柳一洋カメラマン(NHK大阪)

波の穏やかな時期とはいえ、荒れる海。
東京から船で35時間。
孀婦岩が見えてきました。

目指すのは、高さ100メートルの山頂。
狙いは、頂上の中心付近にある岩石の入手です。

登頂に挑む、調査チーム。
リーダーは、世界的ロック・クライマー、増本亮さん。
ヒマラヤの絶壁も登ってきました。

ロッククライマー 増本亮さん
「クライマーの目線で見ると、クラック(裂け目)が発達しているので、まあ登れる可能性は高い。」

チームは、増本さんのほかベテランのクライマー、NHKのカメラマン2名の合わせて4人です。
最初の難関は、大きな波。
上陸できそうな場所をようやく1か所見つけました。

急いで岩を登り、安全な場所にロープを固定します。
4人全員が無事に上陸に成功。
ここから100メートルの垂直の崖をよじ登ります。
特殊な器具で安全を確保しながら、増本さんが命綱をはっていきます。

岩を登っている最中は両手がふさがっているため、撮影は小型のカメラが中心です。
さらに、わずかな足場を見つけては、カメラを取り出し、ギリギリの体勢の中で撮影を行いました。

  

岩の表面は、かなり風化しています。
命綱のおかげで落下はまぬがれました。

ロッククライマー 増本亮さん
「思い切り欠けました。
もろい。」

登り始めて4時間。
ついに山頂に到達です。

「うわー、すごい!」

「ありがとうございました。」

ロッククライマー 増本亮さん
「ここに立ってみて、360度、海しか見えない。
本当に神秘的な場所。」

孀婦岩 上陸調査

さっそく岩を採取しようとしたそのとき。
思わぬ発見がありました。
虫を見つけたのです。
海辺に暮らす羽のないコオロギ、ウミコオロギの仲間です。

貴重なサンプルとして、一匹だけ捕まえました。
研究者によると、独自に進化した新種と見られ、いつどのようにここへ来たのか、何を食べているのかなど、生態は全く分かっていません。

そして一番の目的。
岩石の採取を始めます。
ついに、岩の成り立ちを知るために重要なサンプルを手に入れました。

こうして、高さ100メートルの孀婦岩への上陸調査は、無事に成功しました。

孀婦岩 成り立ちの秘密

高瀬
「調査チームに加わった、NHK大阪放送局の小柳カメラマンです。
孀婦岩登頂、どうでしたか?」

小柳カメラマン
「撮影していて、すぐ下が海というのは初めての経験だったので、とても緊張感がありました。
その分、山頂での景色は忘れられないものになりました。」

和久田
「今回調べた岩の成り立ちは、どんなことがわかったんですか?」

小柳カメラマン
「今回、調査チームは孀婦岩の頂上の岩だけでなく、海底の岩も採取して調査を進めました。
その分析結果なんですが、周辺の海底は『玄武岩』という岩なのに対し、孀婦岩は、『安山岩』という硬い岩からできていることがわかりました。


このことから、孀婦岩の成り立ちを調査チームの石塚治博士が次のように推測しました。

孀婦岩は、火山の一部です。
数万年前の噴火の際、マグマが通り道に残り固まりました。
長い年月をかけて波に浸食された結果、その部分だけが残ってできたのではないかということです。」


高瀬
「ということは、いつか風化してなくなてしまうということなんですか??」

小柳カメラマン
「そうなんです。
波が岩を削り続けるため、孀婦岩は、数百年のうちに消えてしまうと研究者は見ています。
この美しい姿は、今しか見られない特別な景色なんです。」

和久田
「今回の調査は、海の中でも行われ、水中の生き物についても大きな発見があったそうです。
詳しくは、あす(9月29日)夜9時からのNHKスペシャルで放送します。
ぜひご覧下さい。」

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