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2018年8月30日(木) NEW

どうする!? 管理職の “働き方改革”

高瀬
「おはよう日本でも何度となくお伝えしてきた『働き方改革』。
皆さんの職場は、働きやすくなっていますでしょうか?
長時間労働を見直す動きが急速に広がっていますが、実はその『しわ寄せ』が、管理職に集中するケースが増えています。」

和久田
「現場に近いポジションでありながら経営側とされ、労働組合から守られることも少ない管理職。
部下の労務管理など、マネージメントが主な業務ですが、今、残業をさせられない部下の仕事を肩代わりする管理職が目立っているんです。」

報われない 業務の肩代わり

大手メーカーの人事部に勤める40代の管理職です。
この1年で残業時間が急増しました。

今年3月の残業時間はおよそ80時間。
2年前の同じ月の2倍以上でした。
「働き方改革」が進む中、部下の業務を肩代わりするケースが増えたのが原因、と言います。

大手メーカー 管理職
「残業が付く一般の皆さんは『極力早く帰りなさい』と会社はすすめている。
その中で業務を回そうとすると、どうしても管理職が業務をとってやらないと回らない。」

しかし、肩代わりした仕事は、給与に反映されません。
残業代に換算すれば、20万円近くになるはずですが、管理職はいくら働いても役職手当の6万円だけだと言います。

大手メーカー 管理職
「残念というかショックというか、やっているのに報われない、そういうものを感じますね。」

大胆な業務の「断捨離」

NPOが全国の管理職に行ったアンケート調査では、3年前に比べて「自身の業務量が増えた」と答えた管理職は、42.6%にも及びました。

管理職の残業時間が、全業種の中でトップとされる建設業界です。
この会社でも「働き方改革」を進め、残業を2割以上減らしてきました。
そうした中で、業務量が変わらなかったのが、工事の安全を担う現場の管理職です。
若手を少しでも早く帰らせるため、図面の確認など、大切な作業を管理職が肩代わりすることも。

戸田建設 浅見秀先作業所長
「どうしても残業時間という問題の縛りが難しいと感じているところです。」

そこで、会社が乗り出したのが、大胆な業務の「断捨離」でした。
管理職に聞き取りを行い、一つ一つの業務が本当に必要かどうか、確認していきました。
そして形骸化した会議や、何度も同じ内容を求められる書類の作成など、むだな業務を次々とスクラップしました。
さらに現場の管理職からも、アイデアが出てきました。

その一つが「朝礼」の改革です。
工事現場で伝統的に行われてきた朝礼。
情報を伝達する場として、全員参加が原則でした。
しかし、そのためには管理職含め全員が、毎朝7時半前には出社しなければなりません。
そこで、この現場では、前日のうちに伝達事項を録画して映像で流すことにしました。
こうすることで、朝礼の時間に合わせて、全員が集まる必要はなくなりました。

戸田建設 浅見秀先作業所長
「変わってきていますし、変えていかなきゃいけない。
新しいことにどんどんチャレンジしていって、ダメなら次の対策、その次、とやっていく。」

「グループリーダー」組織の在り方の見直し

一方、こちらは都内にある不動産会社。
「働き方改革」の一環として、完全フレックスタイム制度や、自由に座席を選べるフリーアドレスを導入しました。
ところが、働き方が多様になった結果、管理職はかつては職場で声をかければ一度に把握できた部下たちの現状がつかみづらくなりました。
営業部長の梅原さんです。

一人ひとりの部下のスケジュールを調整し、面接をしなければならなくなりました。
面接は、多い週は20時間にもおよび、本来の営業に手が回らない状況になってしまいました。

CBRE 梅原一徳営業部長
「営業にかける気持ちや時間準備が足りぬまま、私の営業も中途半端な営業になって、反省と共に歯がゆい感じでした。」

そこで管理職の負担を減らすため、社長の指示で組織の在り方を大胆に見直しました。
まずは管理職にぶら下がっていた社員を4つのグループに分割。
その中から「グループリーダー」を任命しました。
グループリーダーは管理職に代わってメンバーの仕事を細かく把握。
部長の梅原さんは、月に2回、グループリーダーからその報告を受けます。

梅原さんの面接の時間は一気に減り、自分の営業にあてられる時間が大幅に増えました。
梅原さんに余裕も生まれ、部の営業成績もこの半年で1割アップしました。

CBRE 梅原一徳営業部長
「私個人の時間の使い方がより営業向きになれた。
リフレッシュできることが増えたので、そこは非常によくなっていると思います。」

CBRE 坂口英治社長
「管理職として当たり前の仕事ができる状態にしてあげたい。
管理職をいかに支援するかというところが創意工夫の最大限、要になります。」

働き方改革と残業削減はイコールではない

和久田
「専門家によると管理職が部下の業務を引き受けることで、若い世代が育たなかったり、『忙しすぎる管理職にはなりたくない』という部下が増えたりと、組織全体への悪影響も懸念されています。」

高瀬
「働き方改革 = 残業削減 となりがちですが、『働きやすい職場を作っていこう』という本来の目標を見失ってはいけないですね。」

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