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2018年8月26日(日)

旬体感 ここだけの絶品の味 だだちゃ豆

小郷
「『旬体感』です。」

保里
「もう止まらないおいしさだったのが…『だだちゃ豆』です。
今月(8月)から収穫が始まり、今がまさに旬なんです。
だだちゃ豆の産地は、山形県の鶴岡市。
この鶴岡の限られた地域でしか作られていない、絶品の豆を堪能してきました。」

山形 鶴岡 だだちゃ豆 個性豊かな絶品の味

庄内平野にある鶴岡市。
だだちゃ豆の収穫が最盛期を迎えています。

保里
「一面に、だだちゃ豆の畑が広がってますね。」

だだちゃ豆には、他の枝豆とは異なる特徴があります。
表面を覆うような、たくさんの茶色い毛。
さらに、普通の枝豆は、1つのさやに3つ実が入っていることが多いのですが、だだちゃ豆は、ほとんどが2つなんです。

この時期にしか味わえないだだちゃ豆を求めて、地元の直売所には全国から多くの人がつめかけます。
袋詰めされただだちゃ豆には、一つ一つ生産者の名前が書かれているんです。
どうしてだと思いますか?

小郷
「『顔が見える』ということでしょうか…?」

実は、一つ一つ味わいが違うんです!
私も食べ比べてみました。

保里
「甘い。
甘さがしっかりしてます。
こちらは、ちょっとコクがあるような。」

新井
「豆によって違うんですね。」

保里
「かなり違うんです。
全種類食べてみたのですが、味や風味、柔らかさなど、かなり違いました。」

この「だだちゃ豆」という名前、「生産者ごとに味わいが異なる」ことと関係しているという説もあるんです。
第11代庄内藩主・酒井忠篤。
かつての庄内藩主が、ある農家の作る豆のおいしさを知って、「このだだちゃ(おやじ)の豆が食べたい」と言ったとされ、この地方で作られる豆が「だだちゃ豆」と呼ばれるようになったというのです。

小郷
「『だだちゃ』って、『おやじ』という意味なんですね!」

栽培は「子育てと一緒」

こだわりの豆は、どのようにして作られるのか?
農家を訪ねると、朝暗いうちから作業を始めていました。
代々続く、だだちゃ豆農家の5代目・冨樫拓巳さん。
目指すのは、甘みが強く、かめばかむほど、うまみが広がる豆です。

富樫さんの栽培の秘けつ・その1。
夜明けまでに収穫作業を終えること。
豆は、気温の低い夜の間に栄養を蓄え、甘味が増します。
日が昇って気温が上がると、甘みが減ってしまうんです。

収穫しただだちゃ豆には実がぎっしりで、運ぶのも一苦労です。

保里
「うー…!
ここでもう限界ですね。」

保里
「持ち上げるだけで、精いっぱいでした…。」

甘みを引き出す2つ目の秘けつは、苗の植え方。
成長を促すため、あえて2つの苗を1つの場所に植えて育てているんです。

冨樫拓巳さん
「(1つの場所に)2本植える。
だだちゃ豆は競い合う習性を持っている。
こっちが大きくなると、こっちも負けじと大きくなる。」

3つ目は、ふかふかの土をつくること。

豆の根っこには、こうした「こぶ」が付いています。
この「こぶ」が大きく、たくさん付いていると、豆は甘くなるんです。
大きくたくさんつけるためには酸素が必要で、植えた後も常に耕し、ふかふかの状態を保っているんです。

冨樫拓巳さん
「子育てと一緒かな。
一生懸命、手を加え、返してくれることもある。
その時は報われた気持ちになる。」

だだちゃ豆を世界にアピール スイーツも!?

このだだちゃ豆の味わいを、世界にアピールしている人がいます。
鶴岡市内でイタリア料理店を経営する、奥田政行(おくだ・まさゆき)さん。
実は、世界でもその名が知られたシェフなんです。

そんな奥田さんが魅了されたのが、だだちゃ豆。
その甘みを生かした、さまざまなメニューを開発しています。
そのひとつが、こちらの、生クリームにすり潰しただだちゃ豆をのせた「スイーツ」。
なんと、お砂糖は使っていなんです。

新井
「じゃあ、甘くないんですか?」

いえいえ。
甘さの強いだだちゃ豆、そして、だだちゃ豆パウダーと一緒に食べることで、ほんのりとした上品な甘さが口いっぱいに広がるスイーツなんです。

保里
「砂糖を入れないで、こんなに優しくて甘い!
スイーツ好きも、うなるおいしさですね。」

奥田さんは、3年前のミラノ万博でも、こうしただだちゃ豆を使った料理を振る舞い、舌の肥えたイタリア人をうならせました。

奥田政行さん
「フォアグラやトリュフと同じで、人をとりこにするいろんな要素がある。
新しい実験、試みで感動してもらうことで、(世界に)広がっていく。」

子どもに 孫に 代々受け継がれる味

朝7時。
ただちゃ豆の生産者、富樫さんのお宅です。
収穫が一息ついたあとの朝食。
とれたばかりの豆が並びます。

冨樫さんのお母さんと奥さんがふるまう、この日の朝ごはんは、豆と一緒に炊き込んだおにぎりと、豆がさやごと入った、おみそ汁。
さやからだしがたっぷり出るので、ほかにだしを取らなくていいんです。

子どもたちも、だだちゃ豆は大好物。

冨樫拓巳さん
「子どもたちは手が止まらず。」

妻 美香さん
「ボウル1個なくなっちゃうくらい食べる。」

子ども
「最後の1個、誰が取るか。」

子どもたちにもかみしめてもらうことで、代々受け継がれるこの味を、記憶にとどめてもらいたいと願っています。

妻 美香さん
「味はとてもおいしいので、次(の世代)にまたつなげられれば。」

母親 裕子さん
「こだわりが、うちの味の個性につながってくる。
自分が幼い頃に食べたのと同じ味を、子どもにも孫にも届けたい。」



小郷
「私たちの手元にも、だだちゃ豆が届きました。
いただきます。
…甘い!」

新井
「うん!甘みのあとに、コクもきますね。」

小郷
「普段、よく枝豆を食べるんですけど、全然違いますね!」

新井
「もう1個食べちゃお。」

保里
「おみそ汁も、さやから出るだしが濃厚で、まるでカニのみそ汁のような風味もするほどだったんです。
このおいしさ、子どもたちも夢中になって食べていたように、代々、家の自慢として受け継いでいきたくなる味だと感じました。」

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