これまでの放送

2018年6月21日(木)

「不可能を可能にできる希望」あるALS患者の挑戦

和久田
「まずは、こちらをご覧下さい。」



高瀬
「覚えている方も多いのではないでしょうか。
2014年に社会現象にもなった『アイスバケツチャレンジ』です。
原因不明の難病 “ALS”(筋萎縮性側索硬化症)を知ってもらうための活動の一つで、多くの著名人が参加し、話題となりました。」


和久田
「実は、今日6月21日は、『世界ALSデー』。
この病気を知ってもらう日です。」

高瀬
「現在、日本にいる患者は、およそ1万人。
その中に、最新のテクノロジーを使って、自分の可能性を追求し、注目されている人がいます。」

体の機能が失われていく自分にこそできること

ALS患者の武藤将胤さん31歳です。
広告代理店に勤めていた4年前、全身の筋肉が徐々に衰えていくALSと診断されました。
今、自由に動かせるのは親指だけ。
妻、木綿子さんの介助なしでは生活ができません。
しかし、武藤さんは、日々体の機能が失われていく自分にこそ、できることがあると挑戦を続けています。

自分の声を使ったSNSアプリの開発

武藤将胤さん
「こんにちは。」

片手だけで操作できる、最新鋭の車いすで、積極的に外にでる武藤さん。
この日訪問したのは、大手IT企業です。
関心を示したのが、この企業が開発した「自分の声を使って、SNSで会話を楽しむ」アプリです。

武藤将胤さん
「安全運転するので…。」


指定されたさまざまなパターンの文章を読み上げ、肉声を記録すると…。
打った文字が自分の声で再生されるのです。

武藤将胤さん(スマートフォンでの読み上げ)
「僕の音声合成こんな感じです。
結構似ていますか?」

このアプリがあれば、声を失なった後もにコミュニケーションが取れる。
そう思い、肉声を残しました。

武藤将胤さん
「僕たちの若い感性や感度で、今あるテクノロジーの使い方のデザインをしていくことができれば、(テクノロジーは)本当に不可能だって言われていることを可能にできるひとつの希望なんですよね。」

目の動きで家電を操作するアプリの開発

さらに、武藤さんは、企業との共同研究で、新たなプロジェクトも進めています。
ALS患者は、比較的、目の動きは最後まで保たれると言われています。

武藤さんはこの点に注目して、目の動きだけで、様々な家電の操作ができるアプリを開発したのです。
特殊なメガネをかけ…眼球を動かすと、スマートフォンに使いたい機能が現れ操作できるというものです。
たとえば、カメラを立ち上げ、シャッターを切りたいときは、まばたきをします。

武藤将胤さん
「はい、取れました。
まばたきでシャッターを切っています。」

このシステムでは、他にもテレビやエアコン、照明の明るさの調整ができるところまできています。
ALS患者だけではなく、すべての人の暮らしを変えていくことが、武藤さんの夢です。

音楽フェスを開催・開発したアプリでパフォーマンス

(ステージ呼び込み)
「DJマサーーー!」

 

一昨日(19日)、「世界ALSデー」に先駆け、武藤さんは新しいことに挑戦しました。
ALSを知ってもらうための大規模な音楽フェスの開催です。

披露したのは、開発したアプリを使ったパフォーマンス。
手を使わずに視線だけで、画面を操作し、音楽を変えたり、映像をスクリーンに写しだしたりしていきます。
武藤さんに共鳴するアーティストたちも参加。

3時間にわたって、700人を超える観客が、パフォーマンスに引き込まれました。

武藤将胤さん
「やっぱりいろんな日々生活してて、限界だなって感じることって、僕だけじゃなくて、みんな一人一人あると思うんですよ。
そういうところに直面したときに、もう一回、限界を乗り越えてみようかなと、今日のイベントを通して思ってもらえたら幸せです。」

大きなものを見据え世の中を変えていく力

高瀬
「技術を実際に使って活かす、というところも驚きましたが、何より患者の暮らしを良くするということは、すべての人の暮らしを良くしていくことなんだという、とても先や大きなものを見据えて動いていらっしゃるんだなという感じがしました。」

和久田
「こういうものを作ってしまえばいいじゃないかという、その感度の高さとアイデア、それからそれを形にする行動力と、人を巻き込む力をかね備えた方だなと感じました。
世の中を変えてくれるのではないか、そんな希望を感じました。」

高瀬
「かっこよかったですね!」

Page Top