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2018年1月14日(日)

“涙活(るいかつ)”に何を求めて

二宮
「さあ突然ですが、小郷さん、最近泣きました?」

小郷
「突然ですね。
あんまり最近泣いていないような気がしますね。」

二宮
「そうですか、泣く機会がない。
たまには泣いてすっきりしたいという人のために、みんなで集まって一緒に泣くイベントが、全国各地で開かれています。
『涙活(るいかつ)』と呼ばれています。
どんな人が参加しているかと言いますと、女性が多いそうなんです。」

小郷
「女性が多い。
何で女性の方が。
やっぱり泣きたくなるんですかね。」

二宮
「何を求めて、女性は泣きにやってくるのか。
『涙活』に参加した、ある40代の女性管理職を取材しました。」

40代女性管理職 “涙活”に何を求めて

取材・撮影:中村誠(映像取材部)

東京都内で毎月行われている「涙活」です。
毎回20人近くが集まります。

参加者は、感動的なストーリーの動画などを見て、涙を流します。
その後、それぞれが抱えている悩みを打ち明け合います。
泣くことで気持ちが解放され、ふだん言えない悩みも素直に口に出せるのです。


「仕事のストレスとかで、いいストレス解消がないかと思って。」

「11月に離婚したんですよ。
離婚したと言うと説教してくる人がいる。
やりきれないと思って。」



参加するのは、30代から50代の女性が多いといいます。

「感情を押し殺したり整理したり立て直したり、一生懸命やっていたけど、こういうところで解放していいんだ。」




「こういうところに来ないと質問されないし、深い話をしないじゃないですか。
皆さん何かしらスッキリしたいというか、何かあるんだろうなって。」

この涙活に、何度も参加している女性がいます。
横濱朋子さん、42歳です。

横濱朋子さん
「泣けたら楽なんだけどなって思うところで泣けないことはあります。
我慢しちゃうんじゃないですかね。」

横濱さんは、健康食品などを扱う商社で働く管理職。
細やかな心配りで取り引き先の信頼を勝ち取る能力を買われ、営業部門の責任者を任されています。
しかし今、悩みを抱えているといいます。

6人の部下は、全て男性。
横濱さんより年齢が上の部下もいて、コミュニケーションをどうとっていいか戸惑っています。

横濱朋子さん
「意見をフラットな感じで出し合えたらと思っているので、よろしくお願いします。」

この日は、商品カタログのデザインについて話し合う会議。

部下
「結構重要なポイントになってくるかなと。」

部下
「もっと写真とかあったほうがいいんじゃないですか。
写真とかイラストとか。
グラフをボンと持ってくるとか、視覚に訴えた方が。」

男性の部下同士の議論が始まると遠慮してしまい、なかなか自分の言いたいことが言えません。
横濱さんは、感情も押し殺しがちです。

机の上に常に置かれている鏡。
辛いときでも笑顔でいられているか、確認するためだといいます。

横濱朋子さん
「我慢は必要。
グッとこらえて、泣くときは人の見えない所に行って泣いたり。」

一方、部下たちも、女性である横濱さんとの距離感を測りかねているといいます。

部下
「男性どうしであれば、ノリというか、相通じるところもあるが、女性だとそれがないなと思うときもある。」

部下
「男性だったら年に関係なく言いたいことをガンガン言うが、ちょっと考えてから伝えるようにしている。」

横濱朋子さん
「自分の気持ちとか考えていることを素直に相手に伝えられるような、関係が良くなるといいなと思ってます。」

年が明けた今月(1月)。
仕事が終わった後、会議室で何かの準備をする横濱さんの姿がありました。

横濱朋子さん
「涙活の動画を映す準備ですかね。
職場でもやってみたらいいんじゃないかなというふうに思いまして。」

会社で、部下と一緒に涙活をしようというのです。
素直な気持ちを言い合って、距離を縮めたいと考えていました。

横濱さんの呼びかけに応えて、男性の部下3人がやってきました。
ほかの部署の女性社員も参加します。
この日見たのは、「感動できる」と評判を呼んでいた地方のCMなど6本の動画。
みんなで涙を流すとはいきませんでしたが、部下の前で、素直な表情を見せることができました。

横濱朋子さん
「あそこ、あれよかったよね。」

部下
「よかったんだけど、フランクすぎてギャグっぽく感じた。」

横濱朋子さん
「大事にしてるんだなって思って。」

いつもの会議より、言いたいことを言えた会話。
そんな雰囲気の中、これまで言い出せなかった部下たちに対する思いを話し始めました。

横濱朋子さん
「伝えたいことと伝えなくてもいいことと、どうしようか迷う部分があるんですけど、そういうのを一回取り払って、みんなと距離が近くなれたらというか、そういうのを取り払った関係を築けたら。」



すると、部下たちも…。

部下
「仕事の差配とか、上と下との調整とかうまくやっている人なので、案外そういうヒューマンというか、人間味の部分はあんまり見てなかった。」




部下
「こういうところで一緒にご飯食べたりとかしながら、横濱さんってどういう人なのか知った方がいろいろとうまくいくし。」

部下との距離を少し縮めることができた横濱さんです。

横濱朋子さん
「いつもより素直に感情を伝えられたんじゃないか。
みんなともいろいろな話をすることができて、いい時間だったと思います。
がんばります、がんばらなくてもいいけどね。」


二宮
「VTRで紹介した涙活の主催者は、女性の参加者が多い理由について、『社会進出とともに責任ある仕事を任される女性が増えて、プレッシャーやストレスを抱えている人が多いからではないか』と話していました。」

小郷
「確かに、思いっきり泣くとすっきりするというのは分かるんですけれども、1人なら泣けそうな気がするんですけど、みんながいると、ちょっとこらえてしまうっていう感じがするんですけどね。」

二宮
「人前では、なかなか泣けませんか。
ただ、周りに泣いている人がいることで、その気持ちが伝播して泣けるようになるということなんですが、それによって気持ちを解放することが涙活の狙いということで、いいんですよ、人前で小郷さんも涙を見せていただいて。」

小郷
「泣いていいですか?受け止めてもらえますか?」

二宮
「はい、大丈夫です。」

小郷
「そうやって気持ちを吐露して、みんなで受け止める場があるということが大事なのかもしれないですね。」

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