これまでの放送

2017年12月4日(月)

胃がんリスク手軽に発見! ABC検査とは?

高瀬
「けさのクローズアップ。
髙橋アナウンサーとお伝えします。」



髙橋アナウンサー
「おはようございます。

早速ですが、皆さんのお宅に、こういった案内が自治体から届いたという方、いらっしゃいませんでしょうか?
これは、簡単な血液検査で胃がんのリスクを調べることができるという『ABC検査』という検査の受診票なんです。


この『ABC検査』なんですけれども、東京都内では、自治体が費用を補助して、安く受けられるようにしていまして、ここ数年、増え続けていて、都内のおよそ3分の1の自治体が導入している検査なんです。
世田谷区の例を挙げてみますと、40歳、45歳、50歳など、節目の年齢を迎えた人が5,000円ぐらいかかる検査が800円で受けられるんです。
この『ABC検査』、一体どのようなもので、なぜ広がっているのでしょうか。」

気軽で簡単 費用補助も! 胃がんリスク 広がる検査

主婦のヒギンズ真希子さん、40歳です。
この日、「ABC検査」の結果を聞きに来ました。
年齢を重ねるにつれて、健康に不安を覚えるようになり、受診を決めたといいます。

ヒギンズ真希子さん
「40を機に検査をしてみようと。
ちょっとドキドキはする。」

「ABC検査」は、手軽なことが特徴。
問診と採血で、およそ5分ほどで終わります。
血液は専門機関に送られます。
胃がんのリスクを高めるとされるピロリ菌の有無や、胃の内壁が老化していないかが分析されます。
そして、およそ1週間でリスクを4段階に判定。
この検査をきっかけに、初期の胃がんが見つかったケースもあります。
ヒギンズさんの結果は、どうだったのでしょうか。

医師
「ABC検査の結果、大丈夫でした。」

ヒギンズ真希子さん
「よかった。」

世田谷区では、去年(2016年)の導入以来、ヒギンズさんのように、検査が手軽だとして受診する人が増え続けています。

和久田
「胃がんのリスクは、今回、低いと判定されたということですね。」

医師
「安心して、いい生活ができると思う。」

ヒギンズ真希子さん
「自分でも気付かないところがある。
こういう検査を受けるのは大事だと思う。」

この「ABC検査」、胃がんのリスクを知るためのものであって、全身の健康状態が分かるというものではありません。
世田谷区は、健診を受ける機会が少ない人に、まずこの検査を気軽に受けてもらって、その後、定期的に健康診断を受けるきっかけにしてもらいたいとしています。

世田谷保健所 鵜飼健行課長
「自営業、中小企業に勤める方、会社員の扶養家族などを中心に、区のこうした検診を利用してもらい、自分の健康管理につなげていただきたい。」

早く病気に気付いて “みんなが得する”

和久田
「5分で検査が終わって、1週間で結果が分かるなら、本当に手軽ですよね。」

髙橋アナウンサー
「それが理由で広がっているのですけれども、その背景には、医療費を抑えたいという、大きな狙いがあるんです。

こちらを見ていただきましょうか。
医療費の額なんですが、ずっと増加傾向にありまして、昨年度を見ますと、41兆2,800億円あまりと、もう待ったなしの状況なんです。
『ABC検査』の基礎となる研究を続けてこられた医師の上村さんは、『これまでは病気が進行してから治療することが中心で、医療費が増大する一因となっていた。これからは早期に病気のリスクに気付いて、いち早く手を打とうという“予防医療”が重要になってくる』と話しているんです。

そんな中、住民のもとに積極的に“出向ていく”スタイルで、病気のリスクを下げようという『予防医療』も進んでいます。」

驚きの秘策で病気予防 突撃!隣の○○調査隊

髙橋アナウンサー
「富山県の入善町にやってきました。
この町では、毎日の食卓に並ぶ“あるもの”の調査が行われています。」



調査を行っているボランティアの上田恵子さんです。
今回、調査に同行させてもらうことになりました。
訪ねたのは、1軒のお宅。



上田さんがお願いしたのは、家庭の味「みそ汁」を見せてもらうことです。

上田恵子さん
「計らせていただきます。」



すると上田さんは、体温計のような機械を入れ始めました。

上田恵子さん
「0.7です。」

髙橋アナウンサー
「これはどうですか?」

上田恵子さん
「いい塩加減です。」

「よかったです。」

そうなんです。
みそ汁の塩分濃度を測っているんです。
塩分濃度が0.9パーセントまでなら正常な値。
それを超えると、塩分のとり過ぎと判定されます。

髙橋アナウンサー
「みそ汁の塩分に注目、なぜ?」

上田恵子さん
「(みそ汁)が濃ければ、ほかの煮物なども味が濃い料理になる。」

さらに、調査は「みそ汁」だけではありません。
漬けものや梅干しを食べる頻度、外食の回数など、塩分が高くなる要因をチェックし、点数化していきます。
特にこの家庭では、醤油やソースをよくかけていました。
点数は…。

上田恵子さん
「18よ。
18点もありますよ。」

「そうなると?」

*上田恵子さん
「食塩摂取量は多めと考えられます。
(しょうゆを)よくかけるのをやめて、“かける”ではなく、“つける”を心がけられたら。」

*「この食生活だと大変と聞いたので、(チェック表)を見ながら努力したい。」

入善町では、今年(2017年)5月、ボランティアの主婦たちをある調査員に任命。
その名も「突撃!隣のみそ汁調査隊」。
高齢化が進む町では、脳卒中や糖尿病などのリスクが高くなる高血圧の住民が多いという課題がありました。
そこで着目したのが、高血圧を引き起こす一因とされる塩分。
「みそ汁」を中心に、食事の塩分を減らすことで高血圧を防ぐのが狙いです。
調査隊は、5か月間で450軒以上の「みそ汁」を調査。
今後、減塩レシピの料理教室などを開催していく予定です。

*上田恵子さん
「病気は食べ物で変わるので、しっかり食べて、体質改善をやってもらいたい。」

髙橋アナウンサー
「継続的に来た方がいいかも。」

楽しく!お得に!健康に 全国で進む“予防医療”

高瀬
「みそ汁に始まって、しょうゆ、ソースの使い方まで、けっこう食生活そのものに入っていく感じでしたね。」

髙橋アナウンサー
「食卓にずかずか入っていった時は、私どこまで行けばいいのかなと思ったんですけれども、それだけ慣れ親しんだ食生活を変えるのは難しいということなんです。
富山以外でも、全国で『予防医療』の取り組み、進められています。

こちらは新潟県三条市なんですけれども、定期的に中心市街地の道路をおよそ2キロにわたって車両通行止めにすることで、仮設の市場を設ける試みなんです。
楽しく歩き回ることで、健康になってもらおうという狙いもあるんです。

そして静岡県では、お得に健康になることができる仕組みがあります。
運動や食事改善、健康診断の受診など、健康メニューをこなすとポイントがたまるんです。
そのポイントが貯まると、お店でサービスが受けられるんです。

さあ、どんなサービスがあるかといいますと、こちら、薬局で青汁1袋プレゼント。
寿司屋で、旬の握り1皿プレゼントなどなど。」

和久田
「これはうれしいですね。」

髙橋アナウンサー
「健康ってお得なんだなと実感できますよね。」

和久田
「そうですよね。
さまざまな取り組みありますけど、私たちも気をつけないといけないですね。」

髙橋アナウンサー
「専門家に、どんなことを心がければいいのか聞いてきました。
予防医療に詳しい、自治医科大学の古井祐司さんは、まず第1に『自分の健康状態を知ることが大事だ』と言います。
日常的に、体重や血圧などを把握することで、健康的な行動に結びつくというんですね。
そしてもう1つ、『ついで行動』。
例えば、買い物のついでに、遠回りして景色の良い道を歩いていこうと、普段の暮らしの中で工夫することが効果的だそうです。」