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2017年5月8日(月)

朝ごはんの現場 人気!マンションの共同食堂

高瀬
「さて、おはよう日本をご覧の皆さん、もう朝ごはんは召し上がりましたか?
まさに今食べているという方もいるかもしれません。」

 

和久田
「今日(8日)から5日間は、シリーズ『朝ごはんの現場』をお伝えします。
朝ごはんをのぞいてみると、今の日本のさまざまな素顔が見えてきます。」

高瀬
「1回目の今日は、こちらです。」

一汁三菜で100円! 人気!マンションの共同食堂

今日の朝ごはんは…こちら!

ほかほかのご飯に具だくさんのおみそ汁、いんげんのごま和えやオムレツなど、おかずは3品。

盛り付けもきれいで食欲がそそられますね。
いったいどんな人の朝ごはんなんでしょうか?

東京都心から電車でおよそ1時間の神奈川県相模原市。
駅に近いマンションの1階部分に、今日の舞台の食堂があります。

「定食ひとつ、100円です。」

え!100円!
この安くておいしい朝ごはんを求めて、1日に40人ほどがやってきます。

「ワンコインなのにこんなにちゃんとしたもの出てくるんだって、すごいびっくり。」

この食堂、誰でも入れるかというと…あれ?開きませんね。

利用するには特別な鍵が必要なんです。
この食堂を運営しているのは、地元の不動産会社。
駅周辺に複数のアパートやマンションを管理しています。
近くには3つの大学があり、居住者の多くは学生です。
食堂はこうした居住者限定のサービス。
食生活を心配する親にアピールしようと始めました。

東郊住宅社 取締役 池田峰さん
「学生のニーズとして、食事に対する不安、ご家族の方の不安としては食事面、それに対して解消ができないかなと。」

朝7時。
仕込みが始まります。
朝ごはんは毎日スタッフが手作り。

この日のメニューは野菜たっぷりのオムレツ。
15分かけて、ふっくら焼き上げます。
居住者サービスとして、値段は赤字覚悟の100円。
メインには必ず卵を使った一品が並びます。
毎日休みなくオープンしているため、卵料理のレパートリーは20種類以上もあるそうです。

「毎日来てくれる常連さんが多いので、メニューを毎日変えて、飽きないように考えています。」

朝8時、開店です。
オープンと同時に続々と客がやってきます。
学生たちや出勤前のサラリーマンの姿も。
3人組がやってきました。
みなさん、どういうお仲間?

学生
「大学の後輩で3年生、僕は(獣医学部の)6年生。」

獣医を目指すこの若者。
実家は宮崎の牛農家です。
別のアパートに住む研究室の後輩たちと、ここで一緒に朝ごはんを食べるのが日課だそうです。

学生
「楽しいですね、ここに来ると。
授業とかいろいろ詰まっている中で、ここでごはんを食べてゆっくりできる。
僕にとっては落ち着けたり、リラックス出来る場所ではあります。」

その学生たちに紛れて、9時前にやってきたのは…。
森田哲夫さん、74歳です。
お気にいりのメニューはあるんですか?

森田哲夫さん
「これですよ、豚汁みたいなおつゆが。
これは最高ですよ。」

森田さんが住んでいるのは、食堂から自転車で5分ほどのアパートです。
4年前に妻の久子さんが亡くなってから、ここで1人で暮らしています。
2人は近所でも評判のおしどり夫婦でした。

森田哲夫さん
「死んだ人をいつまでも思ってもしかたがないと思う反面、それが反動になって。」

1人の食事はあじけないと、だんだん食べることへの興味を失ったと言います。

森田哲夫さん
「ごはんはおいしく食べる、これが基本だけど、1人だとなかなかおいしく食べられない面もある。」

そんなとき、この共同食堂がオープン。
1人で食べていると…。

学生
「よくこられるんですか。」

隣に座る学生が話しかけてきました。

森田哲夫さん
「1人暮らしだから、女房が亡くなっちゃったから、大変な時にはここを頼りに。」

話しかけてきたのは、埼玉出身という大学生。

 

森田哲夫さん
「ここは地元だから、自分の生まれたところだし。」

「生まれたときからずっと。」

森田哲夫さん
「この辺はずっと見てきてるし。」

学生
「結構、変わりました?」

森田哲夫さん
「変わった変わった。」

共同食堂での朝ごはんが、人と人をつなぎます。

森田哲夫さん
「みんなが食べてるから、こっちも一緒に食べられる。
若い人ばっかりじゃないですか、自分も若くなる。
それは最高にいいことだね。
これでもうちょっと長生きできるかな。」

10時。
客の流れが一段落したところで、1人の女性がやってきました。
お仕事は介護福祉士。
朝、利用者のお宅を回ってからやってきたそうです。
子どもにはしっかり朝ごはんを食べさせていますが、自分の分までは手が回りません。

介護福祉士の女性
「朝ごはんを抜いてくることが多くて、以前はコンビニでおにぎりとかを買って、それを食べながら自転車で移動して働いていたこともあったけれど、ここができてからはそれがなくなって、間の時間を活用してゆっくりごはんを食べることができてありがたい。」

次の仕事までのわずかな時間。
とりだしたのは…レシート。

ここで家計簿代わりにメモを書いているのです。
仕事と家事に追われる中、自分の時間を過ごすことができる場所です。

介護福祉士の女性
「食堂の方も顔見知りですので、時々声かけてもらったり。
いまはもう我が家のリビングみたいな感じになっています。」

見ず知らずの居住者が集う共同食堂。
胃袋と心に栄養をチャージして、それぞれの新しい1日が始まります。

コミュニティー作りに一役 マンションの共同食堂

高瀬
「人気の声優さんの語りもあって、よりおいしそうに見えましたけど。
ほしかった~、こういうところ!
食べたことなかったですよ、朝ごはん。」

和久田
「学生さんには、お財布にも体にもやさしそうですね。
この食堂を運営している不動産管理会社によりますと、この100円定食は採算割れで提供しているんですが、この食堂で住民どうしが顔見知りになって、結果としてトラブルが減るといったメリットもあるそうです。」
 

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