これまでの放送

2017年5月6日(土)

「かいけつゾロリ」30年 人気の秘密は?!

二宮
「子どもたちに大人気の『あの本』の秘密に迫ります!」

胸に刻まれた、2つの「Z(ゼット)」。
トレードマークは黒いアイマスク。
子どもたちに大人気の、「かいけつゾロリ」です。
キツネのゾロリが、「いたずらの王者」を目指して修行の旅を続ける物語。

シリーズが始まって、今年(2017年)で30年。
世代を超え、子どもたちに愛され続けています。

子ども
「何度読んでも、もう一度読みたくなる。」

二宮
「私も子どものころ大好きで、新作が出るたびに親にねだって買ってもらって夢中で読みましたが、今も子どもたちに愛されているんですね。」

小郷
「これまでに発行された作品は60作。
累計の部数は、3,500万部に上ります。
そのゾロリの生みの親が、こちら。

作者の原ゆたかさん、64歳です。
創作の現場を、特別に見せてもらいました。」

「かいけつゾロリ」30年 子ども心をつかむ秘密

リポート:添徹太郎(科学・文化部)

都内にある原さんの仕事場です。
64歳になった今も、年に2作のペースで作品を書き続けています。

原ゆたかさん
「30年ですから、最初読んでいた子はお父さんお母さんになって、『自分の子どもと一緒に読めて楽しい』とかいうことになったので、自分でも驚いているんですけど。」

主人公のゾロリは、いたずらの天才。
子分のイシシ・ノシシの兄弟と共に、さまざまなアイデアを思いつき、悪だくみを企てます。

しかし、いつも失敗。
いたずらをするつもりが、逆に人助けをしてしまう憎めない悪者です。
子どもたちはなぜ、ゾロリに夢中になるのか。
その秘密のひとつが、物語の構成です。

原ゆたかさん
「ここらへんのシナリオ系(の本)はやたら読んでいる。」

原さんが30年かけて作り上げた「マル秘ファイル」です。
古今東西の物語の構造や理論がまとめられています。
こちらはハリウッド映画の脚本の仕組みをまとめた図表。
書き込まれているのは、原さんなりの解釈です。

物語の冒頭から中盤、そしてクライマックス。
見る人を飽きさせないストーリー展開が整理されています。

原ゆたかさん
「お話ってハラハラドキドキさせなくちゃいけない。
子どもの本だからいいじゃないとか、おざなりにするよりも、例えば『宝を探しに行こう』って。
すると子どもたちが『がんばれゾロリ、宝を探してくれよ』と言う。
こっちは意地悪だから、なかなか見つからないようにしたり、また敵が出てきたり、なかなか宝に行き着かないようにする。」

さらに原さんは、子どもたちをひきつけるさまざまな工夫を本の中にちりばめています。

宝を探す道のりは迷路に。
ダジャレや、ことば遊び。
中にはこんな仕掛けも。
表紙を4つ合わせると…。

子ども
「原ゆたか先生が、ここに隠れていたり。」

原ゆたかさん
「どうやって子どもたちを引き込むか。
私は本を読まない子に書こうと思ったので。
本を読むっていう構造は、ページをめくるという楽しさだと思う。
読めない子も、まず開いて、読んじゃったら最後まで読む。
読み終えるという満足感を味わわせてあげたい。」

原ゆたかさん
「『原ゆたか』って知ってる?」

展覧会の会場でも、子どもたちの人気を集める原さん。
作品の原点は、子どものころの経験にありました。
学校の課題図書がおもしろいと思えず、本が嫌いになってしまったのです。

原ゆたかさん
「『お勉強お勉強』っていう形で勧めるから、もうそれ言われただけでおもしろくない。
本が嫌いな子の気持ちが痛いほどよく分かるんですね。
本来、僕が楽しかったものを、僕みたいな子どもがもしいたら読んでくれるんじゃないかなというところから書き始めたんで。」

原さんは今、61作目となる新作に取り組んでいます。
タイトルは、「かいけつゾロリのかいていたんけん」。

原ゆたかさん
「ゾロリが浦島太郎の世界に行ったらどうなるかなっていう話があって。
『ゾロリならどうせ、こうするんでしょ』というのも、子どもたちはもう思い描いているので、そこをどうまた『すかす』かとか、違うふうに持っていくか、そこが今、苦悩というか。」

子どもたちが夢中でページをめくる本を作りたい。

原ゆたかさん
「これだ、これがフワーっときた。
ひれがあるやつ。
どう擬人化して…。」

原さんとゾロリの冒険は、これからも続きます。

原ゆたかさん
「子どもの目で、初めてあの形を見た時の驚きとか、変な形の生物が、もししゃべったらどんなことするんだろうとか、ゾロリを通して分かってもらえたらいいかなとは今思ってますけど。
子どもたちをどう驚かせてあげるかが、ちょっと楽しみではあります。」

「かいけつゾロリ」30年 子ども心をつかむ秘密

二宮
「子どものころは、ただただ楽しく読んでいましたが、あんなふうにストーリーが緻密に構成されているとは。
今、改めて読んでもおもしろいかもしれませんね。」

小郷
「原さんご自身、子どもの時に本が嫌いだったというのも驚きました。
そうした経験があるからこその作品なんだと思うと、子どもたちにも読ませたいと思いました。」

Page Top