これまでの放送

おはBiz

2021年3月1日(月)

独自戦略で世界に挑む 自動運転ベンチャー

巨大ITとの開発競争に挑む大学発ベンチャー。その「世界連合」戦略とは何か?

自動車メーカーや、GAFAなどの巨大IT企業が、開発競争を繰り広げる自動運転。このシステムの“頭脳”を独自に開発し、世界に挑むベンチャー企業の戦略とは?

名古屋大学発ベンチャーが率いる 独自の自動運転システム

東京・江東区を走るタクシーの車両。運転席には人がいますが、ハンドルやアクセルに触れません。自動運転で決められた目的地を目指し、信号が赤になると自動で停止します。

この車を制御しているのが、「オートウェア」と呼ばれるシステムです。車に取り付けたセンサーとカメラで読み取った情報をもとにAIが分析し、自転車や歩行者、ほかの車の位置を正確に把握します。

このシステムを開発したのが、名古屋大学から生まれたベンチャー企業「ティアフォー」です。創業者の加藤真平さんは「『時間とコストをかけ環境が特定されていれば、できます』というのが、今の自動運転。僕らは、なるべくその共通部分(のシステム)を1回1回全部作らなくてもすむように提供したい」と話します。

巨大ITとの競争へ システムを無償公開

世界で進む自動運転の開発競争。現在その担い手の中心となっているのが、アメリカや中国の巨大IT企業です。加藤さんは「彼らのほうが2~3年進んでいて、自動運転のテクノロジー自体が2025年みたいなスパンで完成形に近づいてくる。そこで追いつくことが非常に重要」と力を込めます。

加藤さんは、4年後には自動運転の車の市場ができると見ています。開発を加速させるために選んだのが、システムを無償で公開し「オープンソース」として世界中の企業に利用してもらうプロジェクトの立ち上げでした。すでにトヨタ自動車などが設立した会社や、アメリカのインテルなど60社が参加しています。

なぜシステムを無償で公開したのか。加藤さんは「世界のマーケットを取ろうとしたら1社では絶対に取れないけど、オープンソースを武器にして世界連合軍を作って立ち向かっていく」と話します。

参加企業は、公開されたシステムを使って自由に研究開発を進めます。その成果を共有してもらうことで、システムを進化させることができます。

一方、ベンチャー企業は、システムを使った実験や開発のコンサルティングを行うことで収入を得ています。

10か国以上でプロジェクト進行

このプロジェクトは今、アメリカや中国、イスラエルなど10か国以上で進められています。

加藤さんは、日本発のシステムを使った自動運転車が完成すれば、巨大なビジネスチャンスが生まれると考えています。「テクノロジーがしっかり発展して、その周りでビジネスが出来上がる。このメカニズムを作ることが、これから日本がやらなければいけないことで、これを実現すること自体が僕の目標ですね」と話しました。

巨大ITに比べれば資金力も人材も足りないけれど、「世界連合軍」をつくるならば…と、可能性を感じました。

そうですね。加藤さんは今、東京大学の准教授と経営者という二足のわらじを履いています。技術開発の最先端で、大きな経済価値を実現し、社会問題の解決もできる――三拍子そろった、こんないい仕事はない、と言っていました。

関連情報

新着記事

Page Top