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2021年2月26日(金)

サーモグラフィー 国産メーカーの“巻き返し”

温度測定の精度を高める。日本トップメーカーの実力とは?

新型コロナの感染拡大後、商業施設などで、熱がある人を見つけ出すためのサーモグラフィーをよく見かけるようになりました。低価格の中国製品が増えている一方、国産メーカーも「信頼性」と「安心」で巻き返しを図っています。

温度測定の精度を高める国内トップメーカーの技術

体温を測定するためのサーモグラフィーは現在、2種類が出回っています。一つは「監視カメラ」をもとにしたものです。主に中国メーカーが製造し、低価格で、顔認証付きのものも中にはあります。もう一つが本来の「赤外線カメラ」で、日米欧のメーカーが得意とし、温度測定用としての精度の高さが特徴です。

では、どのようにして高い精度を実現するのでしょうか。取材したのは、福島県郡山市にある「日本アビオニクス」の生産拠点。サーモグラフィーの需要が増える中、2020年に生産能力を3倍に増やし、月500台を製造する日本国内のトップメーカーです。工場では、温度測定の精度を高めるため、出荷前に、赤外線を出す特殊な温度計を使って製品の調整を繰り返し、正確さを徹底しています。

竹内正人社長は、精度を高めるポイントとして「体表面を正確に測るサーモグラフィーの基本性能」と「今までのデータの蓄積を使って体表面から体温を算出するアルゴリズム」を挙げ、「そこがいちばん精度に関わるところ」だと説明しました。「体表面から体温を算出するアルゴリズム」とは、例えば真冬に外から帰ってきて体表面の温度が極端に低くなった時などに、実際の体温を推計するような計算式があるということです。

機器自体の測定のズレを補正する“隠し技”もあります。サーモグラフィーの近くに置いてある「検温を実施していることを示す案内板」。実は、その中に温度計を組み込んでいます。そこで検知した温度を、サーモグラフィーが検知した温度と対比することで、ズレを補正できるのです。

個人情報保護で「安心」を

「信頼性」とともに国産メーカーが掲げる「安心」。それは「個人情報の保護」です。この会社の機器は、データが流出しないようネットワークにつながず、顔認証もあえて付けていません。竹内社長は「測定した後もデータは自動で消すようにしているので、情報の漏えいリスクは全くないようにしている」と話します。

より正確な測定へガイドライン策定目指す

国産メーカーでは今後、機器に性能基準を設けることや、ユーザー側の利用上の注意をまとめたガイドラインを、学会などと一緒につくることも目指しています。

臨床検査医学を専門とする兵庫医科大学の小柴賢洋主任教授は「蛍光灯の光や太陽光などがあると、熱で異常な高温が表示されたりする。逆に、アクリル板やガラス板は赤外線をブロックしてしまう。皆さんの温度を測っているわけではないといったことも起こりうる」と指摘します。

日本アビオニクスの竹内社長は「やはりメーカーとしてちゃんとしたものを出して、ちゃんと測定していただく。ちゃんとした使い方によって正確なアウトプットができる。その2つを両立するためにガイドラインが必要だと思う」と話しました。

この1年で一気に重要なものになりましたね。正確さと安心が大事ですね。

そうですね。サーモグラフィーの役割は、発熱者を見つける第一段階のスクリーニングです。体温が高めに出たら改めて体温計で測るという二重の対応が大事だということでした。

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