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2021年2月2日(火)

“密”回避の模索 DXで人の動きを変える

デジタル技術で“密”を解消できるか?

DX=デジタルトランスフォーメーションは、企業を変えるだけでなく、人々の行動を変える可能性も秘めています。コロナ禍の今、DXを使って“密”を防げないか、模索が始まっています。

移動データで新しいサービスを JR東日本が目指す「鉄道版DX」

【報告:経済部 大江麻衣子記者】
鉄道利用客の減少で、かつてない厳しい業績となっているJR東日本。“密”の解消を進めながら収益を確保するという難しい課題に直面しています。技術イノベーション推進本部の佐藤勲部長は「強い危機感を感じている。新しいサービスをデジタルの技術でつくりあげていく」として、「鉄道版DX」の実現に意欲を見せました。

いかにしてビジネスモデルの転換を実現するのか。いま導入を進めようとしているのが、シリコンバレーのスタートアップ企業「マイルズ」が開発したアプリです。利用者は、位置情報を提供するとポイントをもらうことができ、アメリカではすでに50万人が利用しています。

マイルズのジガー・シャーCEOは「われわれのサービスなら豊富な移動データが得られるので、ユーザーと深い関係を築くことができる。さまざまなビジネスにつながるだろう」と話しています。

このアプリは、利用者の位置情報をもとに移動手段を自動的に判別。利用者は、移動手段と距離に応じてポイントをもらえます。例えば、混雑がピークを迎える時間帯に鉄道を使わず移動すると、より多くのポイントを獲得できるというものです。

ポイントはさまざまなサービスに使えるため、利用者がみずから進んで混雑を回避するようになるというねらいがあります。

JR東日本は、“密”の解消を進めながら集めた移動データを活用して、コンサルティングビジネスを展開したいと考えています。技術イノベーション推進本部の佐藤部長は「鉄道も含めたモビリティー全体をカバーする。ビジネスの幅がさらに広がってチャンスが生まれるのではないか」と話しています。

混雑状況“見える化”で 安心して街に

一方、東京・渋谷区は、繁華街を訪れる人が減る中、DXで安心して街に来てもらおうという取り組みを始めています。区民部の田坂克郎副参事は「活気を取り戻すという意味で、混雑をどう回避して“密”にならずに来ていただくかは、すごく大事」と話します。

目をつけたのは、スタートアップが開発した、施設の空き状況がひと目で分かるサービスです。例えば、トイレの入り口のセンサーが人の出入りを感知し、空き状況をインターネットで配信します。

渋谷区は、飲食店や施設でこのサービスの導入を推進し、あらゆる場所の混雑状況を“見える化”することで、混雑を避け、極力すいている場所を選んで足を運んでほしいと考えています。田坂副参事は「混雑(状況)を見ながら楽しめる、街に来ていただけるところをもっとつくっていけたら」と話しています。

消費者の側にすれば、すいているほうが使いやすく、顧客満足度が上がりますよね。企業の側では、DXのきっかけは“密”の回避でも、そのデータをうまく活用できないかと考えているということですか?

そうですね。先進的な企業や自治体はDXに向かって走り出しています。渋谷区ではさらに、このシステムを災害時の避難所運営に応用できないか検討しています。避難所の混雑状況が分かれば、分散して避難してもらえるという発想です。

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