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2021年1月28日(木)

ツイッター アカウント永久停止の波紋

「ソーシャルメディアの役割」や「言論の自由」をめぐってさまざまな議論が。

ツイッターが、アメリカのトランプ前大統領のアカウントを永久停止しました。この決定を巡り、議論が巻き起こっています。

“暴力をあおる危険” トランプ氏のアカウントを永久停止に

1月6日にアメリカの首都・ワシントンの連邦議会で起きた乱入事件。トランプ氏の支持者の一部が議事堂を占拠し、混乱の中、5人の命が失われました。

この事件を受けツイッターは、トランプ氏のアカウントを一時停止。選挙の不正を主張した投稿に重大な規定違反があったというのが理由でした。

その後トランプ氏は停止を解除されましたが、8日に再び支持者に向けて次のように投稿しました。「私に投票してくれた7500万人の偉大な愛国者たちよ。あなたたちの主張はどんな形であったとしても侮辱されたり不当に扱われたりすることはないだろう」

ツイッターは、こうした投稿がさらなる暴力をあおる危険があると判断。トランプ氏のアカウントを永久に停止すると発表しました。

「規制基準の説明を」「制限は法律に基づくべき」 巻き起こる議論

ツイッターのジャック・ドーシーCEOは「ツイッターにとって正しい判断だったと思う」と投稿する一方、「健全な議論を促せなかったわれわれの問題だと感じる」として、対応の難しさもにじませました。

ソーシャルメディア上での言論を誰がどのようにチェックするべきか、アメリカの内外で議論が巻き起こっています。アメリカの有力紙ワシントン・ポストは24日、社説で「ソーシャルメディア企業は、公人の投稿を規制する基準について、きちんと説明しなければいけない」と指摘。「のちにリスクが低いと判断されればトランプ氏も投稿を再開できるようにするべきだ」と主張しました。

ドイツでもメルケル首相が、言論に関する制限は法律に基づくべきだとして、ツイッターの決定には問題があると指摘しました。

ユタ大学のロンネル・アンダーセン・ジョーンズ教授は、企業が投稿をチェックすることは問題がないとしました。一方で、「ツイッターなどがこうした大きな力を持ち、次に投稿を削除される人がトランプ氏のような力を持たず、ほかに表現する手段も持たない人だったとしたら問題だと思う。投稿内容のチェックについて、各社の自主規制や政府による規制の範囲をしっかりと議論していく必要がある」と懸念も示しました。

日本でも同様の問題は起こりうる?

ソーシャルメディアは日本でも利用者が多く、専門家はこうした問題は今後日本でも起こりうると警鐘を鳴らしています。東洋大学経済学部の生貝直人准教授は「さまざまな言論、われわれの価値観というものに対して、プラットフォーム事業者も非常に大きな影響力を持つようになってきている。この少数のプラットフォーム事業者が(ルールを)決定し運用しているという事実。このことをわれわれは常々心にとめておく必要がある」と指摘しています。

そうか。プラットフォーム事業者が利用者を選ぶことになってしまっては、言論の自由についてさまざまな問題が起きうる、ということですね。

そうですね。巨大なプラットフォーム事業者に、何をさせ、何をさせないか。例えば日本の総務省の研究会は、有害な情報の削除についてソーシャルメディアの自主的な対策を基本として政府はその透明性をモニターする、という間接的なやり方を示しています。国によって考え方が違い、今後も議論になりそうです。

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