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2020年12月18日(金)

体験!自動運転+遠隔運転の実験

触れずに動くハンドルで、ゆっくり進む小型電動バス。新たなモビリティーの可能性を関口キャスターがリポートします。

自動運転の車の実験が各地で行われていますね。今回紹介する実証実験では、別の場所にいる人が、無人のバスを「遠隔運転する技術」もあわせて取り入れています。私が体験取材してきました。

公道をゆっくり自動運転

実験は小型の電動バスを使い、静岡県伊東市の伊豆高原駅周辺の公道1.4キロを往復して行われます。早速バスに乗り込みました。まずは自動運転モード。運転席にはドライバーがいますが、ハンドル操作などは全くしていません。最高速度の設定は時速19キロで、非常にゆっくりとしたスピードで走っています。

実験は東急と名古屋大学、ITベンチャーなどが共同で実施。バスはオンデマンド方式で、予約をもらった住民や観光客を乗せて走ります。

ドライバーが降車!? 遠隔運転モード

途中で、路肩に駐車している車を避けるテストも実施。すると、いきなりドライバーが車を降りてしまいました。ここからは遠隔運転モードです。

運転席は無人。その状態で前に駐車している車を避けて前方へ進みます。実験でわざわざ無人にするのは、運転責任が遠隔操作側にあることを明確にするためです。無人の状態で動くハンドルを見ながら、自動運転とはまた違った形でどこかで誰かが運転をしていることに、ちょっと不思議な気分になりました。

遠隔へのスムーズな移行が「次のステップ」

遠隔運転のコントロールセンターは、伊豆高原駅構内に設けられています。遠隔運転する人はモニター画面を見ながら、ハンドルやアクセル、ブレーキを操作します。

この遠隔運転を可能にしたのが、ベンチャーが開発した独自の通信技術です。カメラが撮影した映像がモニターに届くまでの「遅れ」をわずか0.2秒に縮めました。

自動運転から遠隔運転への切り替えは、システム側が判断に迷う場面を想定しています。遠隔監視・操縦システムを担う「ソリトンシステムズ」の遊佐洋取締役は、具体的な例として「歩行者が本当に道路を横断しようとしているのか立っているだけなのか、路上駐車でハザードを出していない時に『追い越せばいいか、後ろで待っていればいいか』」といった場面を挙げました。

そして「そういう時に自動運転側ではアラートを出す。『これは判断できない』と。その時に一回止まらないで、何秒かの間に遠隔側に権限が委譲されることが次のステップだ」と話しました。

体験乗車した人たちは、利便性はあると感じたようです。利用者の一人は「お年寄りとかがあまりバスがないようなところにあればいい」との感想。別の利用者は「観光に使われたらお子さんも喜んだり」と話しました。

「郊外ニュータウンや過疎地域に」

プロジェクトを統括する東急の長束晃一さんは「低速のモビリティーであっても人間が歩くよりは速い。例えば郊外のニュータウンとか、過疎の地域とか、そういうところにはかなりフィットするソリューション(解決策)ではないか」と話しています。

確かに、公道を走るとなればさまざまな状況が起きるわけですから、自動運転を遠隔運転で補うというのもいいかもしれませんね。

そうなんです。自動運転の精度や安全性が今後上がっても、いざという時や故障時などにバックアップをどうするかという課題が生じます。実用化に向けては、自動運転から遠隔運転、あるいはその逆への受け渡しを、どう安全にスムーズにできるかがカギになりそうだと感じました。

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