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2020年8月18日(火)

“若手の声に耳を傾ける”

創業家以外で初めて抜てき。村田製作所のエンジニア出身の新社長が、苦境を乗り越えるため大切にする信条とは?

京都の電子部品メーカー、村田製作所のトップに今年就任した中島規巨(なかじま・のりお)さん。エンジニアとして世界を相手に仕事をしてきた中島さんの信条の一つが、「若手の声に耳を傾ける」です。

需要減の逆風下で社長就任

村田製作所は、車やスマートフォンなどの電子部品を手がけ、世界トップクラスのシェアを誇ります。中島さんは6月、変化の激しい経営環境で強いリーダーシップを発揮できる人だとして、創業家以外で初めて社長になりました。

現在の経営状況について「需要、受注売り上げは相当下がっている。車メーカーが相当、操業を下げているので、2020年いっぱいぐらいは影響が出るのかなと思っている」と話しました。

「絶対に売れるんや」 現場を信じた携帯音楽プレーヤー向け事業

中島さんはこれまでのエンジニア人生で、数々の苦難に直面してきました。アメリカのメーカーが作る携帯音楽プレーヤー向けのWi-Fi部品を生産する事業では、利益が出ず、当時部長だった中島さんは幹部から厳しい批判にさらされました。

「なかなか市場が拡大せずにずっと赤字だったんで、社内でも苦しい立場で運営していた」と振り返る中島さん。「『事業を撤退しろ』とか、あるいは『同業他社に何とかこの事業を継続してもらえ』」といった意見が社内にあったといいます。

それでもあきらめなかったのは、アメリカにいた若手社員の声に耳を傾けたからでした。音楽をネットでダウンロードして聞く新しいスタイルの広がりを肌で感じていた現場の判断を尊重したのです。

「『絶対に売れるんや』と強く言うので、それにかけてみようかな」と決断した中島さん。携帯音楽プレーヤーはその後、スマホへ進化して大ヒット。主力事業の一つへと成長しました。

先が見通せない時代に大切にするべきこと

中島さんは、苦しい立場に追い込まれた時でも、短期的な収益だけでなく、将来性を見極めることが重要だと言います。「市場というものを中長期的な視点で見ないといけない。今年なのか、来年なのか、2年後なのかというミクロな読みは、当たったり外れたりする」とし、「ふかん的な市場トレンドをつかみながら、研究開発の方向感を決めたり、リソース(資金や人材)の配分を決めたりすることが大切」と強調しました。

新型コロナウイルスで先が見通せない時代。中島さんは最後に、大切にしていることについて、こう語りました。「通信のシステムの進化でも、『ここまで進化したらどんな使われ方をするんやろう?』とか、『5Gになったらどういう用途が広がるんやろうか?』(と想像してみる)技術者に必要なのか、あるいは経営者に必要なのか、“妄想”って大事なんですよね。それを仮説にして証明していく、そういった技術者の好奇心はすごく大切にしたい」

私自身、年を重ねるにつれ、頭が固くなってるな、柔軟な発想が出てこないな、とすごく感じるのですが…。

そういう意味でも、若い人の意見を大事にしたいですね。私は、中島さんが最後に言っていた「妄想が大事」という言葉に、一瞬「えっ?」と思ったのですが、中島さんの考えでは、想像を膨らませることから新しい可能性、方向が見えてくるということなのかなと思いました。

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