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2020年5月20日(水)

テイクオフできるか ANAトップに聞く

創業以来、最大の危機に。生き残るための戦略は?

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新型コロナウイルスの感染拡大の影響は、航空業界にも広がっています。全日空は大型連休の期間中、利用者が2019年の30分の1程度に落ち込みました。タイ国際航空が事実上、経営破綻するなど、航空会社の経営環境は厳しさを増しています。どう乗り切るのか、ANAホールディングスの片野坂真哉社長に聞きました。

運航・減便が約9割 「需要回復には時間がかかる」

【報告:経済部 加藤ニール記者】
片野坂社長はインタビューで「世界の航空需要は半分減る。われわれ(年間)2兆円ぐらいの売り上げの会社だから、1兆円ぐらい減少」との見方を示しました。会社は創業以来、最大の危機に直面しているといいます。現在も予約のキャンセルが止まらず、ほぼすべての路線が採算割れとなっています。

「飛んでも赤字」という中で、国内線・国際線のおよそ9割が運休・減便。片野坂社長は、緊急事態宣言が全国で解除されても、航空需要の回復には時間がかかるとみています。「この夏ぐらいから、まず日本が、少し感染が落ち着いて、飛行機の運航が再開されていくとみているが、年度末に国際線で5割、国内線で7割ぐらいの需要回復というふうに慎重にみている」としています。

収入回復に向け 旅客機でもマスク輸送

旅客収入が激減する中、わずかでも収入を回復できないか。無人の旅客機でマスクなどの輸送を行っています。「航空貨物が今、特需になっていて、医療用のマスクや手袋、それから検査キット」などを輸送。「貨物専用機だけでは足りないので、旅客機の客室に貨物を積んで、4月に300便ほど」を運んだといいます。

航空の安全のため 「社員の雇用は守る」

海外の航空会社では今、需要の落ち込みを受け、人員削減の検討が相次いでいます。ブリティッシュ・エアウェイズが最大1万2000人削減、スカンジナビア航空が最大5000人削減、ライアンエアが最大3000人削減を計画しています。

これに対しANAでは、社員を毎月、数日間休ませるなどして、人件費を抑制。人員削減は行わないとしています。片野坂社長は「(航空は)安全を守るビジネス。雇用の不安を抱えて仕事をするのが、いちばんよくない。まず社員に『雇用を守る』と(伝えた)」と話しました。

感染予防を徹底 「生き残る側に立ちたい」

会社をいかに存続させていくのか。航空業界も変わらなければならない局面に来ているといいます。片野坂社長は「キャビンアテンダントがマスクや手袋をしている。航空機の利用については、検温をしていくとか、機内でも移動を避けるとか。感染を予防するエアラインビジネスになっていく」とし、「生き残っていく。残る側に常に立ちたい。これは大事な経営のスタンスだと思う」と話しました。

物流はともかく、人の移動については、仕事の仕方や生活のあり方が変わっていく中でどれぐらい回復するのか、なかなか見通せないという難しさがありますね。

ANAでは金融機関から9500億円の資金調達のめどをつけ、万全を期しています。ただ、航空業界の先行きは不透明で、長期戦をにらんだ対応が今後も問われていくと思います。

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