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2020年3月26日(木)

新型コロナウイルス 世界のエネルギーにも影響

財政危機のアルゼンチン。頼みの綱のシェールオイルにも暗雲が…

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新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で、原油価格が大きく下落しています。これが、活況を呈していたアルゼンチンのシェールオイルの開発にも、影を落とし始めています。

シェールオイルには「未来がある」 採掘地域に職求める人が続々

【報告:小宮智可サンパウロ支局長】
アルゼンチン中西部のネウケン州。至るところに「この街には未来がある」と書かれた看板があります。この地域では、アメリカなどの外資が主導して、5年前から、新たな資源として注目されるシェールオイルの開発を続けています。

石油の採掘現場が近い地域には、仕事を求めて多くの人が集まり、街がつくられています。この地域の埋蔵量は162億バレル。今後10年にわたり、日本円で年間2兆円を上回る額に相当する輸出が可能だと言われています。2020年に入り、アルゼンチン国内各地に加え、ボリビアやペルー、ベネズエラなど周辺国からも人が集まっています。

カルロス・アビーレスさん(38)は、2月に隣の州から移り住みました。石油関連施設のガードマンの仕事を得て、家族5人を養っています。アビーレスさんは「子どもたちによい生活をさせてやれるし、石油関連の仕事に就けて満足」と話しています。

石油会社の給与は高卒水準の3倍 マイカー購入した若者も

アルゼンチンにとって、シェールオイルは重要な輸出品目で、貴重な外貨獲得の要になっています。地元の若者も、シェールオイルに将来を託そうとしています。アルベルト・フェラーダさん(21)は、19年10月に高校を卒業し、地元の石油会社に就職しました。

フェラーダさんの月給は日本円で20万円余り。アルゼンチンでは、高卒の給与の3倍にあたる水準です。フェラーダさんは早速、マイカーを購入。「満足です。仕事のおかげでこれが買えたのだから。仕事でもっと高い地位に昇格したい」と話しました。

感染拡大で価格競争力に“悪影響”も

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大が、シェールオイルの開発にも影を落とし始めています。感染の拡大を防ぐため、政府は当面、外国人の入国禁止に加え、国内の各都市を結ぶ航空機の運航などを一時、停止する措置に出ました。

さらに、シェールオイルの輸出先であるアメリカなどでは、急速な感染拡大による経済活動の大きな落ち込みが懸念されています。

これまでアルゼンチンのシェールオイルは、安い人件費などを背景に、国際的に高い価格競争力を維持してきましたが、世界的な感染拡大の影響で需要が大きく落ち込めば、状況が一転するのでは、という見方も出ています。

このところ財政危機に苦しんでいるアルゼンチンにとっては、シェールオイルが経済再生の頼みの綱なのでしょうが、そういう意味ではこれから心配ですね。

原油価格を見ると、WTI先物価格は1バレル=60ドル程度から急落し、足元は24ドル台です。アルゼンチンのシェールオイルは、20ドル程度でも持ちこたえられると言われていますが、その先行きは不透明さを増しています。

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