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2020年2月17日(月)

東南アジアのデトロイトに異変

タイの自動車産業に急ブレーキ。現地日本企業も苦境に。

「東南アジアのデトロイト」とは、タイのことです。タイで生産された車は、アジアやオセアニア、中東や欧州など、世界へ輸出されています。しかし、米中貿易摩擦による世界経済の減速、そして新型コロナウイルスの感染拡大というダブルパンチで、その自動車産業が苦境にあります。

急ブレーキの自動車関連産業 顧客維持へメンテナンス事業に力

【報告:アジア総局 岩間宏毅記者】
世界経済の減速は、自動車産業に関わる多くの企業に広がっています。エンジンなどを製造する設備の部品を生産する日本企業の現地法人、南武タイランド。従業員はおよそ70人いて、自動車メーカーや大手部品メーカーが顧客です。

この企業は2019年の秋以降、業績が低迷。社長を務める足立琢哉さんは「タイの自動車の生産が落ちている状況にあわせて、私どもも昨年の10月ぐらいから急激にブレーキがかかってきた」と話し、回復の兆しはなかなか見えないと言います。

新たな受注が厳しい中、製品のメンテナンス事業に注力。補修などを通じて顧客との関係づくりを強化しようとしています。足立さんは「景気がちょっと厳しくなった時には、お金をかけずにコストダウンしたいという声が非常に多いので、アフターサービスをお客様にアピールして、また景気が上がってきた時に、うちのシリンダー(製品)を選んでいただく」と話しています。

米中摩擦・新型コロナウイルスのダブルパンチ

トヨタやホンダなど日本の自動車メーカー各社が生産拠点を置くタイ。生産の半分を占める輸出向けが減少したため、車の生産台数は19年に、5年ぶりにマイナスに転じました。

こうした中さらに、新型コロナウイルスの感染拡大が追い打ちをかけています。中国からの旅行客が激減し、タイの主力産業の観光に大きな打撃を与え、景気の大幅な減速は避けられない見通しです。

さらなる打撃を懸念

自動車の販売店も、さらなる消費の冷え込みを懸念しています。現地のトヨタ販売店のカール・オッペンボーン社長は「景気回復への希望を持っていたが、新型コロナウイルスの感染拡大という差し迫った課題に直面している」と話しています。

今後、中国の工場の稼働停止や減産が長期化し、部品調達が滞るような事態になれば、タイの自動車産業への打撃はさらに大きくなると見られています。カシコンリサーチセンターのシニアリサーチャーを務めるハタイワンさんは「(新型コロナウイルスの)影響は極めて大きい。中国だけでなく製品を輸出入するすべての国に(影響は)波及している。中国の工場で問題が起きれば、ほかの国々の工場も生産がストップするだろう」と話しています。

日本メーカーへの影響も心配ですね。

そうですね。タイでは自動車の国内販売の90%近くは、実は日本メーカーの車です。輸出を支えるのも、日本勢が現地生産するピックアップトラックなどです。タイでの急ブレーキは、日本メーカー各社の業績にも当然、響いてきます。

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