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2020年2月4日(火)

石炭火力 輸出支援に“待った”

小泉環境大臣の問題提起が波紋を呼んでいます。

きょうのタイトルは「石炭火力の輸出支援に“待った”」。「待った」をかけたのは、小泉環境大臣です。ベトナムでの石炭火力発電所の建設計画を日本が支援しようとしていることに異議を唱えました。この計画は「途上国に、よりクリーンな日本の石炭火力を輸出する」という政府の方針に沿った計画だけに、問題提起が波紋を呼んでいます。

「日本が金出し、つくるのは中国とアメリカ」 ベトナムでの石炭火力発電所計画を問題視

小泉環境大臣は1月21日の記者会見で、日本が融資を検討しているベトナムの石炭火力発電所について「この構図は、日本がお金を出し、結果、つくるのは中国とアメリカ。こういう実態はおかしい」と述べました。

このプロジェクトは、ベトナム中部の「ブンアン2石炭火力発電所」の計画です。まだ固まったものではありませんが、三菱商事の子会社が主体となり、日本の政府系金融機関の国際協力銀行も融資を検討しています。

一方、プラントはアメリカのGEがつくり、据え付け工事は中国企業が行うことが予定されています。これを小泉大臣が問題視しました。

輸出の4要件では…

政府のエネルギー基本計画では、石炭火力の輸出について、4つの要件に合えば支援するとしています。「①価格の安い石炭を選択せざるをえない国」で、「②日本の高効率石炭火力への要請」があって、「③相手国の気候変動対策と整合的」で、「④原則『超々臨界圧』以上の設備」、つまり最新鋭でクリーンな設備なら支援する、という条件です。

この4つの要件には、日本の企業が設備をつくるということは書いてありません。ただ、高性能のものをつくれるのは日本企業ならばこそで、日本がやらないと、中国のより性能の低いものをどんどん安くつくってしまうという懸念が込められていたのも事実です。

ところが、今回のベトナムの計画では、米中の企業も「超々臨界圧」の設備を導入すると言っています。それならば、CO2の排出を抑えることに貢献できるのでOKなのでは?とも言えると思います。

さらに、関係者が指摘するのは、温暖化対策の効果を上げるには、設備や機器以上に発電所の運営のしかたが重要だという点です。その点では、ノウハウのある日本の電力会社が運営やメンテナンスに参加するので、れっきとした「日本プロジェクト」と言えるのではないか、という声もあります。相手国のためになるということもあります。

しかし、小泉大臣は納得していません。会見では「国際社会からこれだけ批判を浴びながら、こういった実態があることは、どう考えてもおかしい」とし、「この石炭政策を変えたい」と述べました。

今後の議論はどうなる?

「批判」といえば、2019年12月の国連の「COP25」で、日本は石炭依存の批判の矢面に立たされました。

小泉大臣は、その批判を肌で感じている立場でもあります。小泉大臣としては、「石炭火力輸出の4要件」つまり、ルールそのものの見直しも議論したいという考えです。エネルギー政策の方向転換にまで進むのかどうか。今後の議論を見極めていきたいと思います。

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