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2020年1月22日(水)

伸びよ!“電気で動くゴム”

大変革期の自動車業界。部品メーカーが手がける新素材は、将来の事業の柱に成長するか?

きょうのタイトル、「ゴムはもともと伸び縮みするよね」とつっこまれそうですが、「事業として伸ばしたい」という自動車部品メーカーの動きを紹介しましょう。自動車業界は今、大変革期で、部品メーカーも新たな可能性を探っています。そうした中で目を付けたのが、なんと“電気で動くゴム”です。

“電気で動くゴム”が新事業の柱に? 手術の訓練で需要見込む

【報告:NHK名古屋 鹿野耕平記者】
医療機器の会社に集まった医師たちが取り組んでいるのは、狭くなった心臓の血管に新たな血管をつなぐバイパス手術の訓練。心臓の鼓動を再現しているのが、手術シミュレーターです。

近年、患者の心臓を動かしたまま行う手術も多いため、訓練での需要が見込まれています。医師の一人は「拍動のしかたとか、脈拍の変動がある。そういったところがしっかり再現できるのはいい」と話しました。

この手術シミュレーターを医療機器ベンチャーと共同開発したのが、愛知県の自動車部品メーカー「豊田合成」です。心臓のリアルな動きを可能にしたのが、“電気で動くゴム”、その名も「eラバー」。筋肉のように伸び縮みする性質をもっています。

特殊なゴム素材の両側を電極で挟んでいて、電圧をかけることで電極どうしが引き合い、間のゴム素材が動く仕組みです。

このメーカーでは長年、樹脂やゴムなどを使った自動車部品をつくってきました。この新素材もゴムの研究を続ける中で生まれました。電動化や自動化など自動車を巡る環境が大きく変わる中で、自社の強みを生かして新たな事業の柱をつくろうというねらいです。

宮﨑直樹社長は「成長し続けていくためには、常に新しい技術の開発や新しい事業への取り組みなどが必要不可欠」と話しています。

予防医療にも活用の道

この新素材は、圧力を加えることで、逆に電気が生じる特徴を持っています。生じる電気からは力加減の差を捉えることもできます。この特徴を生かして、新素材を予防医療に活用する試みも始まっています。

愛知県の予防医療のプロジェクトでは、靴のインソールの中に、新素材を仕込み、高齢者が歩く際に、足の裏のどの部分に強く圧力がかかっているか、データ化します。新素材が感知したデータを医師が分析することで、歩き方のくせや、膝や腰の異常などを早期に見つけ、予防につなげようという試みです。メーカーでは、この新素材で市場の開拓を目指しています。

宮﨑社長は「ヒト・モノ・カネを成長できる分野に振り向けていく。『eラバー』にかけたということ」と話しています。

メーカーでは、この素材の特性から、ロボットを動かす筋肉の部分に使うことも研究しているそうです。自動車部品に続く事業の柱に化けるのかどうか、見ていきたいと思います。

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