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2019年11月15日(金)

逮捕から1年 日産“出直し”のカギは

ガバナンス改革の成否を決めるものは何か。

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日産のゴーン元会長が2018年11月に逮捕されてから、19日で1年になります。事件は「企業統治=ガバナンス」が改めて問われるきっかけにもなりました。日産の改革は実を結ぶのか、考えてみましょう。

落ち込んだ販売 現場は「衝撃を受けた」

東京・品川区の日産の販売店。ゴーン元会長が逮捕されて以降、新規の顧客が減少するなど、影響が少なくなかったといいます。東京日産自動車販売の井谷之彦店長は「現場としては、衝撃を受けたというのがいちばん率直な気持ち。日産ブランドへのイメージも含めて、心配の声が大きかった。不信の声もあった」と話しました。

ゴーン元会長が逮捕された翌月の18年12月から、日産の販売は7か月連続で前年を割り込みました。

販売店ではこの1年、顧客の信頼を取り戻すため、地道な努力を重ねてきたといいます。井谷店長は「『営業が丁寧に対応するのがいちばん』とスタッフに話してきた」といい、「丁寧に対応し、不安を取り除きながら、お客様に提案し続けていくところに気をつけた」としています。顧客とじかに接する現場は、事件の衝撃や影響を肌で感じていたようです。

ガバナンス強化の徹底に“外の目”

事件をきっかけに日産が取り組んだのが、ガバナンス改革でした。経営の透明性を高めるために、取締役会のメンバーを大きく変えました。19年6月までは社外取締役が8人中3人でしたが、現在は11人中7人と、半数以上にしています。

人事や役員報酬を決める際には社外取締役が中心となります。さらに、取締役会の議長も社外取締役が務めることにしました。徹底的に外の目を入れることで、ガバナンス強化を図っている形です。

「日産にとっての利益に徹しきれるか」

日産の改革について、企業再生の経験が豊富で、大企業の社外取締役を務める、経営共創基盤の冨山和彦CEOに話を聞きました。冨山さんはまず現状のガバナンス改革について「必要条件を整えたという段階なので、実際、機能するかどうかはこれからだ」と述べました。

そして、一般的に「『あれはやっちゃいけない、これはやっちゃいけない』的な制度をいっぱい用意して、それでホッとしてしまうことが結構ありがち」と指摘。「ガバナンス・会社という権力構造に対して、どう対じしていくか。人間の心と行動が変わらないと、(以前と)同じことをやってしまう。どういう覚悟と意志を持ってガバナンスに臨んでいくかが、極めて厳しく問われる」との見方を示しました。

日産が実効性のある改革を行うためには「大株主のルノーからなんと言われようが、日産のステークホルダー(株主、従業員など)にとって最大の利益になることに徹してガバナンスを行使していく。そこに尽きるんじゃないか」と話しました。

う~ん。「仏つくって魂入れず」ということにならないように、ということでしょうか。

企業のガバナンスを巡っては、最近も、関西電力で経営幹部らが多額の金品を受け取っていた問題が起きるなど、後を絶たない状況です。日産の取り組みが、ほかの企業にとっても参考になる可能性があります。改革の行方を今後もしっかりと見ていきたいと思います。

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