これまでの放送

おはBiz

2019年10月24日(木)

アルゼンチン 通貨暴落 苦しむ市民

経済の悪循環を抜け出せず…物々交換で生活する人も。

動画はこちら

アルゼンチンといえば最近、関税が下がり、ワインなどが日本に入ってきています。その国が今、大変なことになっています。通貨・ペソの下落で経済が悪化し、市民生活を圧迫しています。

“ゾンビレストラン”が増加

【報告:小宮智可サンパウロ支局長】
アルゼンチンの首都・ブエノスアイレスにある、創業140年の老舗レストラン。一見、普通のレストランに見えますが、実はオーナーが逃げてしまった後、従業員だけで営業が続けられています。

今、街のいたるところに、こうしたオーナー不在の“ゾンビレストラン”が増えています。男性従業員は「新しい仕事を見つけるのは難しい。この店で働き続けるしかない」と話しました。

インフレ年率50%以上 最安値探し店を巡る

影響は市民の生活にも出ています。ルイサ・タタグリアさん(74)は、年金暮らしで切り詰めた生活の中、買い物も一苦労だといいます。アルゼンチンでは、年率50%以上のインフレが続き、商品の値段が毎日のように変動しています。

そうした中、タタグリアさんが使っているのが、政府機関が提供するアプリです。政府は、7万点を超える商品の価格の報告を義務付けていて、半径5キロ以内の最安値が分かります。タタグリアさんは安い商品を探して近所の店を回っています。「食品の値段が上がり続けている。アプリがないと生活できない」と苦境を訴えています。

手作りドーナツを洋服と物々交換

さらに、金融市場の混乱を物々交換でしのごうとする人たちもいます。並べられているのは、手作りのパンや着られなくなった服、古い携帯電話など。すべて近所の人々が持ち寄ったり、拾ったりしてきたものです。

ある女性は、家で作ったドーナツ12個を、黒い洋服と交換。「とても厳しい状況。ミルク・油・砂糖・麺、欲しいものはドーナツで手に入れている」と話しました。

国外脱出する富裕層

こうした混乱の中、富裕層は国外への脱出を考え始めています。自動車部品の輸入販売を営むウゴ・フレイドさん(67)は、従業員20人ほどを雇っていますが、将来に大きな不安を抱いています。

フレイドさんは財政破綻という不測の事態に備え、早ければ10月中に、アメリカのフロリダに持つマンションへ移住する予定です。「物が不足し、市民どうしの奪い合いが起きる。私はアルゼンチンから出ていく」と話しました。

大統領選・積極財政派が優勢 財政破綻の懸念も

“ゾンビレストラン”に、物々交換。明らかに市民生活に影響が出ているのが分かりましたね。

そうですね。アルゼンチンでは27日に大統領選挙があります。緊縮財政を続けてきた現職のマクリ大統領に対し、野党のフェルナンデス候補は積極財政、つまり“ばらまき”を主張していて、優勢だということです。そのために財政破綻が懸念され、さらに通貨安が進むという悪循環に陥っていて、出口が見えない状況になっています。

動画はこちら

関連情報

新着記事

新着ブログ

Page Top