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2019年10月16日(水)

環境投資をどう呼び込むか

企業・投資家が気候変動問題に向き合わなくてはならない理由は?

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今回の台風19号の被害を見ても災害が激甚化していると感じますが、その背景には温暖化の影響もあるとされています。そうした中、企業の環境対策にどう投資が回るようにするか、ある会議からそのキーワードを探りました。

環境投資を考えるサミットに大物続々

8日に東京で開かれた「TCFDサミット」。耳慣れない表題ですが、登壇者は大物ばかりでした。イングランド銀行のマーク・カーニー総裁は「CO2排出ゼロの世界を目指すことを投資の主流にしなければならない。それには皆さんがTCFDを発展させ広めていくことが、文字どおり“生命線”だ」と提言しました。

また、世界最大の年金基金である日本のGPIFの投資責任者や、日本製鉄の会長も登壇。そして、ロイヤル・ダッチ・シェルのチャールズ O・ホリデイ会長は「われわれは今世紀末までにはCO2排出を正味ゼロにできそうだ。ただ、それをもっと早く、今世紀半ばまでにやらなければならない。それが、われわれが直面する課題だ」と述べました。

“向き合ったらいいよね”から“向き合わなくては”へ

キーワードとなる「TCFD」は「Task Force on Climate-related Financial Disclosures(気候関連財務情報開示タスクフォース)」という作業チームの名前でしたが、今では、企業に環境問題への対応を開示させる、世界共通の「指針」という意味で使われています。

指針がつくられた理由はこうです。例えば、CO2を大量に出しながらも知らん顔でもうけて、株価が好調な会社があったとして、その内実が世の中に分かるやいなや、一転株価急落ということになりかねません。それはリスクです。そのため気候変動でビジネスにどんな影響があるのか、それにどう対処しているかを、企業に開示させようということになりました。

TCFDを推進する企業団体の会長を務める、一橋大学大学院の伊藤邦雄特任教授は「そういう意味ではもう待ったなし。気候変動の問題に向き合ったらいいよね、というフェーズは越えて、本当に真正面から各企業、各金融機関の投資家が向き合わなくてはならないフェーズに入っている」と話しました。

日本の賛同企業、世界最多の194社

この呼びかけに賛同する日本企業は194社に上り、世界で最も多くなっています。TCFDサミットの議論を聞いた損保会社の担当者は「TCFDは非常に関心が高まっているし、企業としてどういう対応をとっていくかということは、大きなテーマになっている」との認識を示しました。

また、電力会社の担当者にTCFDへの対応状況を聞いてみると、「われわれもことし署名した」と説明。さらに銀行の担当者は「われわれは(情報の)開示に踏み切っている。日本の企業の中でも1番2番で、こういう問題については関心を持ってやっている」と話しました。企業もかなり前のめりに取り組んでいます。

企業と投資家が同じ目線に

次のキーワードは、「ダイベストメント」と「エンゲージメント」です。環境対策で評価が低い企業から投資家が資金を引き揚げるのが、ダイベストメント。これに対しエンゲージメントは、投資家が企業と建設的な対話をして、時にはアドバイスもします。さらに資金を出して技術開発を促します。こうした流れをつくることが重要になっています。

一橋大学大学院の伊藤特任教授は「企業がむしろイノベーション活動を通して、気候変動問題を緩和、解決するような製品だとか、あるいはイノベーションを起こすような会社には、もっともっと投資しましょうと。ダイベストメントの逆で、より資金を供給する動きにもなっている」と話しました。

投資家が、積極的に後押ししようという流れなんですね。

そうですね。だんだん企業と投資家の目線が同じ方向を向いてきていますから、これから本格化していきそうな気がしています。

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