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2019年9月26日(木)

いまエネルギーは豪州から “日の丸”LNG

総事業費4兆円。巨大プロジェクトの現場を関口キャスターが取材しました。

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サウジアラビアの石油関連施設の攻撃では、日本にとってエネルギーの安定確保がいかに重要かを実感しました。26、27日の2日間は、エネルギー問題について報告します。

「いまエネルギーは豪州から」というタイトルにしたのは、この分野で日本とオーストラリアの関係が深まっているからです。日本が輸入するLNG=液化天然ガスでは、オーストラリアからが全体の32%を占め、今や最大の輸入元になっています。そのオーストラリアで、日本企業による初の“日の丸”プロジェクトが誕生しました。

日本企業が運営主体に 生産能力は年間輸入量の10%強

オーストラリア北部・ダーウィン郊外のLNG基地です。取材した日も、桟橋に運搬船が入っていました。この基地は、日本企業が初めて、オペレーター=運営主体を担っている大型プロジェクトです。その日本企業が「INPEX(国際石油開発帝石)」です。2018年10月にLNGの出荷を開始しました。

この基地から890キロ西の海底に「イクシス」ガス田があります。ガスは、東京―福岡ほども離れた距離をパイプラインで運ばれてきます。

ガスを液化している施設にやって来ました。同じ施設がもう1つあり、あわせてフル稼働すると、年間890万トンのLNGを生産します。これは、日本が年間に輸入しているLNG全体の10%強にあたる生産能力です。

総事業費は4兆円。開発資金の多くを日本の企業や金融機関が支えた、まさに“日の丸”プロジェクトです。INPEXで陸上・海上の生産を統括する加賀野井彰一さんは「順調に生産は進展している。ここから産出されたLNGが日本に送られて、ご家庭まで届けられるというのは、たいへんうれしく、誇りに思っている」と話しました。

生産を開始まで20年

INPEXがガス田の鉱区を取得したのは1998年。それから20年かけて、ようやく生産開始にこぎつけました。

プラントのコントロールルームも訪ねました。ここでは、陸上LNG基地のデイブ・ダン所長が「モニターで、プラントで起きていることがすべていつでも見られる」と説明してくれました。私が、桟橋の様子も見えているのか聞いてみると、ダン所長は「そう。LNG船が見える。ほぼ積み込みが終わったところだ」と話しました。

「40年生産続ける 使命は大きい」

このプロジェクトの特徴は、「LNG」のほか、プロパンなどの「液化石油ガス」と、化学製品の原料になる「コンデンセート」を生産することです。LNGは70%が日本向けですが、ほかは主に東南アジアの国々に販売する予定です。

日本企業がお金を出し権益を持つだけでなく、みずからガス田を探して開発し、生産まで行うことは、日本のエネルギーの安定供給に大きな意義があります。INPEXの伊藤成也副社長はこのプロジェクトについて「世界のLNG業界・石油ガス業界からは、かなり注目を浴びていたし、今も浴びていると思う」と述べ、「向こう40年間、生産を続けていく規模のプロジェクトになっている。きちっと安定的に供給させていただくという使命は非常に大きいと思うし、責任も重いと考えている」と話しました。

“脱炭素”へ移行期支える天然ガス

総事業費4兆円で、向こう40年にわたって安定供給する。壮大なスケールですね。

そうですね。日本のエネルギー供給を担う一つの柱になると思います。国内の発電量を見ると、LNGは燃料のおよそ40%を担っており、今や最大の電源です。 国は二酸化炭素の排出削減のため、化石燃料の使用を減らしていく目標を立てています。その点、天然ガスの二酸化炭素排出量は、石炭を100とすると約54となり、比較的排出が少ないため、今後も天然ガスに切り替えていくことが必要になります。「脱炭素」への移行期を支える存在が、天然ガスだと言えます。27日は、次世代のエネルギー・水素についてお伝えします。

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