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2019年9月5日(木)

ベトナム“ひとり勝ち”!?

中国企業が相次ぎ生産拠点をベトナムに移しているのはなぜ?

米中貿易摩擦が激化する中、中国企業の間では今、工場をベトナムに移し、「メイド・イン・ベトナム」としてアメリカに輸出する動きが広がっています。

際立つ経済成長

【報告:道下航ハノイ支局長】
好調な経済が続くベトナム。2019年4~6月のGDP成長率は6.7%。東南アジアの主要国でも際立って高く、いわばベトナムの“ひとり勝ち”です。ハノイの商業施設で買い物をしていた女性客は「米中貿易摩擦は悪い影響を与えていない。ベトナム経済はこれからも発展していく」と感じています。

中国から工場が続々と移転 アメリカによる関税引き上げを回避

ベトナム経済を押し上げる大きな要因の一つが、海外からの投資の増加です。特に、隣接する中国からの企業進出が急増しています。ベトナム北部・ハイフォンにある、港近くの工業団地では、中国の工場の建設工事が急ピッチで進んでいます。

19年上半期の中国からベトナムへの直接投資は、およそ18億7700万ドルと、日本や韓国を抜きトップに立ちました。中国製品に対するアメリカの関税引き上げの影響を避けようと、ベトナムに生産拠点を移し、ベトナム製として輸出する動きが広がっているのです。

工業団地の運営会社で、マーケティングを担当するトゥンさんによると、中国企業からの問い合わせは、半年余りですでに去年1年間と同じ数に上っているといいます。トゥンさんは「米中貿易摩擦が続けば、(中国企業進出の)傾向はまだ続く」と見ています。

ベトナムも批判の矛先に?

しかし、中国企業進出の動きを手放しで喜べるわけではありません。アメリカのトランプ大統領は6月、こうした動きをけん制。「すべての企業が中国からベトナムなどほかの国に移転するだろうが、われわれは対応するつもりだ」と述べました。

さらにアメリカは、中国製品がベトナムを経由して、ベトナム製に偽装され輸出されているのではないかと疑いを強めています。ベトナム北部の港で撮影された映像には、中国から運ばれた靴にベトナム製と表示されていました。

こうした不正を見逃せば、アメリカの批判の矛先が、ベトナムにも向かいかねない。ベトナムの税関当局は、検査の強化など不正の取り締まりに力を入れています。ハイフォン市税関局のキム・ホア副部長は「(ベトナム経済を守るため)産地偽装の対策を行い、違反行為を厳しく取り締まる」と話しています。

確かに“ひとり勝ち”だけれど、このままだとアメリカににらまれるかもしれない、ということなんですね。

そうですね。ベトナムは米中貿易摩擦の中で、“漁夫の利”を得た形です。ただ、アメリカはベトナムに対しても多額の貿易赤字を抱えています。ベトナムとしては、アメリカの標的にされるリスクを意識しながら、状況を慎重に見極めていると言えそうです。

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