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2019年7月31日(水)

なぜいま注目?アメリカ発の“暴論”

「自国通貨を発行する国は、どれだけ借金しても破綻しない」。ええ?本当?

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きょう取り上げるのは、「Modern Monetary Theory(現代貨幣理論)」。頭文字をとって「MMT」と呼ばれています。アメリカ発の経済理論です。

その提唱者の一人、ニューヨーク州立大学のステファニー・ケルトン教授が7月、初めて来日しました。国会議員や大学教授が相次いで面会に訪れるなど、日本でも注目され始めています。どんな理論なのか、なぜ日本でも一定の支持を集めているのか、ケルトン教授に聞きました。

「借金気にせず財政出動を」 日本でも一定の支持

この理論は、「自国の通貨を発行する国は、お金を刷りさえすれば、それを借金の返済に充てることができるため、どれだけ借金しても破綻しない」というものです。そのため、極端なインフレにならない限りは、借金を気にせずどんどん国債を発行して、年金や公共事業などにお金を投入すべきだと主張しています。かなり大胆ですね。

しかし、日本でもこの理論が一定の支持を集めています。ケルトン教授は、その理由について「日本の政治家は経済を改善するために、何に頼ればよいのか悩んでいる。そこで、よりよい政策を行う手段として、MMTへの注目度が高まっている」との考えを示しました。

そして、「人々は借金を“悪”だと考えるが、政府は個人の家計と全く違う」として、「政府の予算が赤字か黒字かは問題ではなく、政治家はそれを気にする必要はない」と言い切りました。

政府・日銀は否定 「極めて危険」

MMTはアメリカでも“異端”の理論とされていますが、2018年のアメリカの中間選挙で民主党の一部の議員が支持したことをきっかけに、注目を浴びました。日本でも、積極的な財政出動を支持する政治家などから賛同者が出てきています。

この理論に対し、政府や日銀は真っ向から否定しています。麻生副総理兼財務大臣は「財政規律を緩める。極めて危険」と指摘。日銀の黒田総裁も「極端な主張。正しいとは思わない」と言っています。

消費税率引き上げ「全く必要ない」

しかしケルトン教授らは、日本こそ巨額の債務を抱えていても財政破綻していないので、MMTのモデルに近いと考えています。そして日本は財政出動をもっと進めるべきだと指摘しています。

ケルトン教授はインタビューで、日本について「高齢者に対する支出を増やす必要があり、政治家は年金への支出を引き上げるべき。ほかにも、例えば研究開発や教育など、必要なところにはとにかく支出するべきだ」と主張。また、2か月後に迫った消費税率の引き上げについては「消費税率の引き上げは、消費意欲をそぐので全く必要ない」と断言しました。

インフレは「見極めを」

いくらでもお金を発行してどんどん回せばいいとの主張ですが、それではインフレにならないのかと心配になるところです。ケルトン教授は「政府は行き過ぎたインフレが起きないか、その限度を見極めながら支出していく必要がある」と言っています。ただ、インフレを予測するのはたいへん難しいことです。

聞けば聞くほど、「大丈夫なのかな?確かに“暴論”なのかも」と感じますが、この理論を支持する人たちがいるというのは、どう理解すればいいんでしょうか?

そうですね。日本は巨額の財政赤字を抱え、手詰まり感が漂っています。それをMMTが解消してくれるのではないか、という期待の表れかもしれません。とはいえ、一般の感覚では、借りたお金を返すのは当然のこと。財政再建を目指す姿勢は必要だと思います。

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