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2019年6月20日(木)

Bizアメリカ 水道管パニックの救世主! 注目の“日本発”ベンチャー

全米の社会問題を商機に変えた日本人CEOが、日本へ“逆上陸”を狙う。

アメリカでは、橋や道路の陥没などインフラの老朽化による事故が深刻になっています。なかでも多いのが、老朽化した水道管の破裂事故。そこで、水道管をいつ更新すべきか、的確に予想するシステムをつくった、日本人経営のベンチャー企業が注目されています。

水漏れ24万件 AIが破損時期を予測

【報告:飯田香織ロサンゼルス支局長】
住宅街に吹き上がる水しぶき。アメリカでは、水道管の老朽化などで年間24万件の水漏れや破裂が起きていて、大きな社会問題となっています。

これに目をつけたのが、日本人が4年前に創業した会社「フラクタ」。カリフォルニア州シリコンバレーにある社員30人の企業です。加藤崇CEOが「1か月ぐらい前にオフィスを拡張して、かなり広いオフィスを借りた」と、社内を案内してくれました。

加藤さんの会社では、AI=人工知能を使って水道管の破裂や破損の時期を予測するシステムを手がけています。AIに100種類以上の環境データを機械学習させ、地下にある水道管の劣化の状況を予測させます。画面の赤い部分が、速やかに更新することが必要な水道管です。

水道管は設置された環境によって、寿命が大きく変わります。鉄製のパイプの平均寿命は100年とされていますが、土壌や天候、さらには自動車の振動や周囲の人口動態などにより、30年程度で寿命を迎える場合もあります。

加藤さんは「アメリカの水道は漏水が多い。これに対するソリューション(解決策)を提供すれば、僕らはお金もうけが仕事だから、お金がもうかると思って、水道事業にしっかりフォーカスした」と話しています。

インフラ更新を効率化 コスト削減に期待

カンザス州トピカ市は、年間500件を超える水漏れが起きていますが、これまでは慌てて修復していました。今後は、AIを使って予測しようとしています。

トピカ市は5月、全長1400キロに及ぶ水道管の更新にあたり、加藤さんの会社が開発したシステムの導入に踏み切りました。1マイル(=1.6キロ)の水道管の更新には現在、1億円以上かかりますが、効率化によって今後はコストを大幅に削減できるとみています。

トピカ市水道局のブラクストン・コプリー副局長は「どの水道管を優先的に更新するか把握できる。『あの地区の水道管が劣化している』という現場の声に依存せずに済む」と、システム導入に期待しています。

「今のアメリカはあすの日本」

加藤さんの会社は、全米18州の40を超える自治体で、水道事業者と契約を結びました。今後は日本進出を狙っています。

加藤さんは「日本の水道は安全なのでは、という話はあるが、海に囲まれ腐食土壌でさびやすい。ほぼ100%間違いなく、『今のアメリカはあすの日本である』と言える」と指摘しています。すでに、川崎市などで実証実験を進めている加藤さん。インフラの老朽化という社会問題をビジネスチャンスに変えようとしています。

「僕らはお金もうけが仕事」と言い切っているのは、気持ちよかったですね。シリコンバレーに乗り込み、成功しているとは、頼もしいかぎりですね。

そうですね。実はCEOの加藤さんは、ある分野で知る人ぞ知る有名人です。二足歩行ロボットの開発ベンチャーの創業者の一人だったんです。2013年にその会社をグーグルに売却し、その交渉でグーグルとも渡り合ったそうです。今度は新しい着眼で、シリコンバレーから日本への逆上陸を目指す加藤さん。応援したくなります。

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