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2019年6月3日(月)

商機は“寝かせて待て”

熟成肉だけじゃない!“寝かせた食材”にビジネスチャンスが続々登場

皆さんは、ちょっと前にはやった「熟成肉」を食べたことはありますか?高瀬さんは「すごく興味はあるけれど、若いころのように『どうしても食べたい』という肉への情熱が失われている」とのこと。それならきょうは、肉にとどまらない熟成の話をしましょう。今や、いろいろな食材を“寝かせる”ことで、新たなビジネスチャンスを生み出そうという動きが活発になっています。

450日寝かせてできた乳酸菌 和菓子店の新ビジネスとは?

東京都内にあるホテル。直営のスイーツ店で人気の商品が、くず餅を使ったおしゃれなスイーツです。売りは「乳酸菌」入り、という点。女性を中心に人気だそうです。

仕掛けたのは、東京・江東区の老舗和菓子店「船橋屋」。200年以上前から、小麦粉のでんぷんから作る、関東流のくず餅を作り続けています。でんぷんは450日ほど寝かせますが、発酵する菌のなかに、おなかにやさしいという乳酸菌が見つかりました。

この乳酸菌を使って新たにビジネスができないか8年前から研究を重ね、2018年に商品化にこぎつけました。この菌はその名も、「くず餅乳酸菌」。「おなかにやさしい」を売り文句にビジネスを展開しています。スイーツだけでなく、かき氷やサプリメントまで、幅広いジャンルに進出しているそうです。

船橋屋の渡辺雅司社長は「副産物として出た乳酸菌は、いろいろなところに拡大していける。おいしく食べておなかの調子もいいなら、すごくいいのではと思う」と話しています。

“寝かせた魚”でアメリカ・シンガポールにも輸出可能に

一方、寝かせることで食材の新たな味を引き出そうという取り組みもあります。あるすし店の看板メニューは、一見、普通のにぎりずし。しかしこれは「熟成魚」です。魚を特殊な方法で処理し、数日間寝かせて熟成。たんぱく質が「うまみ成分」に変化し、おいしさがギュッと凝縮されるのだそうです。

ある男性客は「味がしまっている感じ。食べやすかった」。また女性客の一人は「熟成されているからか、まろやかな感じ」と話しました。

この熟成魚を手がけているのは、宮崎県にある仲卸会社「長谷川水産」です。独自の「血抜き」技術を開発し、通常3日しかもたない魚を1週間以上もたせる技術を開発しました。長谷川水産の津本光弘さんによると、「血をとってしまえば、今まで悪くなっていたのが、逆に悪くならずにおいしくなる」といいます。

血抜きに欠かせない道具があります。地元の町工場に依頼して作ってもらったもので、魚の尾びれやエラの動脈に差し込み、水を流すと、3分ほどで血抜きが完了するそうです。内臓と水分を取り除いた後、真空パックし、冷水に浸せば、3日ほどで熟成魚が出来上がるといいます。

寝かせている間に輸送できるため、遠隔地に販路を広げることが可能になったといいます。津本さんは「7日とか10日とか平気で寝てくれるから、外国に行っても安心。アメリカにも行っているし、シンガポールにも行っている」と話しています。

なるほど。寝かせている間に運べるから、販路が拡大できる。

よく考えられていますよね。発酵や熟成はすでに知られた技術ですが、その効果をうまく利用して、販路を拡大したり、新たなビジネスを生み出したりする“発想力”に、注目すべき点があると思います。

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