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2018年7月10日(火)

ホンダジェット “世界一”のカギは

ホンダのビジネスジェット機が出荷数世界一に。飛躍のカギは何か?

大手自動車メーカー、ホンダが製造した「ホンダジェット」は2015年からアメリカなど海外で引き渡しが始まり、いよいよ日本でも6月から販売が始まりました。かっこいいですね。17年には「ライトジェット」という小型ジェット機の分野で43機を出荷。引き渡し開始からわずか3年で、アメリカ・セスナ社などのライバル機を押しのけ、世界トップに躍り出ました。

世界一のカギは何か。機体の設計に一貫して携わってきた「ホンダエアクラフトカンパニー」の藤野道格(みちまさ)社長と、最新の機体でフライトし、話を聞きました。

固定概念捨てエンジンを主翼の上に

さっそく、藤野社長に飛行機の特徴を尋ねると、「主翼の上にエンジンがついているのが特徴」と説明。通常、エンジンは胴体後部にありますが、ホンダジェットでは主翼の上に。型破りな発想で、客室スペースをライバル機より20%広くとれるといいます。

藤野社長によると、「主翼の上にエンジンをつけちゃいけないと(飛行機設計者の)皆さんは教わる」といいます。しかし、「固定概念を捨て去って原点に戻って、何が飛行機としてできるだろうか」を検討。「そういう発想のプロセスがすごく難しかった」と振り返りました。

個性は機首部分にも表れています。微妙なカーブで、空気抵抗を最小限に抑えました。コックピットにも最先端の工夫が凝らされています。操作をタッチパネル式に統一。コンピューター管理のため、電源を入れてからわずか5分という短時間で出発できます。

座席ゆったり 音も静か

機内に乗り込むと、まず驚いたのは、その広さです。座席間の距離は218センチ。大人4人が乗っても膝がぶつかることなく、余裕がある造りになっています。さらにレバーを操作すると座席が動きます。

いざ、テイクオフ。加速のすごさを感じるとともに、フルパワーの状態でも音はうるさくなく、ちゃんと会話できることに驚きました。
高度5800メートルの上空では、揺れてもガタガタする感じではなく、揺れた後ピタッと収まるような、まるでスポーツカーに乗っているような感覚を味わいました。

「足して2で割らない」姿勢で開発

なぜ畑違いの自動車メーカーが世界一のジェット機を造ることができたのでしょうか。
藤野社長に聞くと、「単に同じようなジェットを造って売るのではなく、画期的なジェットを造らなければ意味がない。それぐらいの意気込みで始めた」といいます。

新しい発想を次々と取り入れたホンダジェット。そのこだわりは、社内での意思決定のプロセスにもありました。
藤野社長は「飛行機を最高のものにするためには、一つの判断基準で決めようということが大切」といいます。「意見を調整して足して2で割って、お互いが満足するのでは、いい飛行機はできない。一つの目標のためにこれを決めよう。そういうことを大切にしている」と話しました。

オートバイでも、自動車でも、飛行機でも、「足して2で割らない」姿勢はホンダらしいな、と感じました。

実際乗ってみると、音が静かなことに驚きました。エンジンは窓の後方にあるのに、離陸時に音が前から来るんですね。フライト中にパイロットが藤野社長に声をかけることもあったのですが、会話がちゃんと聞き取れました。誰もやったことがない新しいものを生み出していく、という気概。久しぶりに元気なものづくり企業のスピリッツに触れた気がしました。

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