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2018年7月5日(木)

いちご摘みロボットの開発競争 意外な背景

アメリカで、いちご摘みロボットの開発が急速に進んでいる意外な理由とは?

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アメリカのいちごの産地と言えば、カリフォルニア州。なんと、全米の生産量の90%を占めているそうです。これまで人の手で丁寧に摘み取ってきましたが、今、ロボットの開発が急ピッチで進んでいます。その理由とは?

移民が支えるいちごの収穫

【報告:飯田香織ロサンゼルス支局長】
カリフォルニア州北部のいちご畑では、収穫の最盛期を迎えています。カリフォルニア産のいちごは、太陽の光をたっぷりと浴びて大粒なのが特徴です。

いちご畑は、日本とは比べ物にならないほど広大です。中腰での作業は重労働で、低賃金で働くメキシコなど中南米からの移民によって支えられています。

厳しい移民政策で働き手が不足!?

ところが、アメリカのトランプ大統領は厳しい移民政策を打ち出し、6月25日には「(不法移民は)ひどいやつばかりだ!」と発言。不法入国して拘束された移民の親子が一時、当局によって引き離される事態も起きました。
今後、働き手が不足するのではないか。そこで急速に進んでいるのが、ロボットの開発です。

AIで最適な収穫時期を識別

ロボット開発メーカー「アグロボット」は1月から、いちごを収穫する実験を繰り返しています。
カギとなるのは、AIとカメラを使った色の識別です。90%以上赤ければ収穫に最適だと判断します。今後、摘み取り方の精度を上げて、2019年の商業化を目指します。

アグロボットのフアン・ブラボCEOによると、「(ロボットに)いったん摘み取り方を教えれば、繰り返すことができる。その結果、常に一定の品質を保つことができる」といいます。

センサーで実の位置確認 傷つけず収穫

さらに、広大な農場で使う収穫用ロボットの開発も進んでいます。
ベンチャー企業「ハーベスト・クルー・ロボティックス」が開発した巨大な装置。人手不足に危機感を持った全米の生産者が出資しています。

いちごを収穫する部分には、16個のロボットを設置。摘み取りの邪魔になる葉をまとめ、センサーで正確に位置を確認して摘み取る仕組みです。狙いを定めて摘み取ることで、いちごを傷つけないようにしています。

現在、摘み取るスピードは10秒間で3個。さらにスピードアップし、2年後には200台を市場に投入する計画です。ポール・ビセットCOOは「人手不足対策を講じなければ、いちごは値上がりし、手の届かない高級食材となってしまう」と話しています。
手間のかかる農作業を移民に頼ってきたアメリカ。トランプ政権の移民政策が、皮肉にもロボット開発を急がせています。

アメリカ産のいちごは、日本の輸入いちごの95%を占めています。日本では、夏から秋にかけて国産いちごの生産がかなり少ないので、スーパーの店頭にアメリカ産がよく並ぶんですね。

こういうところにもトランプ政権の政策が影を落としているんだな、と驚きました。ところで、ロボットがいちごを摘んでかごに落とす時、もう少し優しく落としたら?と感じたんですが。

確かに。ただ、農場で収穫する巨大な装置のほうは、人間の摘み取り方を再現しようとしているそうで、意外に丁寧な動きになっているんだそうです。スーパーの店頭に、ロボットが収穫したアメリカ産いちごが並ぶ日も近いかもしれません。

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