2017年12月12日 (火)ケネス・ブラナー vs オリエント急行殺人事件
廣田直敬です。
毎週水曜日の7時台「チェック!エンタメ」のコーナーで、
映画監督や俳優に会うことがあり、ありがたいことだなあと実感しております。
今回はイギリスの俳優・監督(その他、脚本家、プロデューサー…、
と肩書きがいくらあっても足りないほどの才能豊かな方ですねぇ)
ケネス・ブラナーさんにインタビューしました。
アガサ・クリスティの「オリエント急行殺人事件」を映画化した際のことを早口で熱く語り、
あっという間に時間が過ぎてしまいました。
「原作を読んでいる人でも楽しめる映画ならではの描写」
「90作近い原作をすべて読み直して新たに気付いたこと」
「探偵と監督の役割の共通点」
等々、興味深い話は、ぜひ放送でご覧ください。
インタビューを終えた後は、いつもクタクタになるのですが、
今回は、心地よい疲れに身を任せてボーっとしている最中に、
ポアロ風に言えば、私の「灰色の脳細胞」が実に活発に働き始めました。
ケネス・ブラナーさんが、舞台には舞台の見せ方、映画には映画の見せ方がある、
という話をしていたのをきっかけに、映画つながりの脳内変換でしょうか、
こんな話が頭に浮かびました。
映画評論家の町山智弘さんが、
紀貫之の「桜花散りぬる風のなごりには 水なき空に波ぞ立ちける」
という和歌を引き合いに出して、
「空に桜の花びらの波が見えた。これってアニメーションでしょ?
アニメーションのない時代にアニメーションやろうとした。
絵を描こうとしたのではなくて、桜の花びらの波を描いた」
と言っていたのを思い出したのです。
同じ瞬間に、新人時代に世話になった先輩から
「ラジオとテレビで同じようにしゃべるな。
メディアの特性を考えてしゃべり方を変えろ」と指導されたのも思い出しました。
私は、一つの話をきっかけに、
次々に関係なさそうな話が頭に浮かんでくる感覚が大好きなのですが、
久しぶりにこの感覚を味わいました。
ケネス・ブラナーさんが
「約100年前の話を2017年の観客が楽しめるように」と言っていたときは、
「伝統を現代に」というフレーズが、故・立川談志のしゃがれ声で聞こえてきたりして…。
知的興奮、楽しゅうございました。
ケネス・ブラナーさんのインタビューは
12月13日(水)「おはよう日本」7時台で放送予定です。
お楽しみに!
投稿時間:19:00