家に帰りたい
早朝キャスターの田所拓也です。
先日、九州北部を襲った豪雨、土砂災害。私は7月5日の夜から大分県に入りました。
日田の市街地から約10キロ北にある小野地区。大規模土砂災害の発生によって孤立したところもあります。私は、ヘリコプターで救助された小野地区の住民が避難する避難所で取材を担当していました。
ヘリコプターから降り立った瞬間の声は「命が助かって良かった」というのが大半でしたが、数日経過した避難所では「家に帰りたい」の声に変わりました。
中には、救助される上空から土砂に埋まる我が家を見た人、テレビや新聞の映像などでダム湖の水面に沈む自宅を見た人もいます。
「家に帰りたい」。この言葉の裏にある思いとは何なのか?
ある避難者の方が言ったことが全てではないかと私は思っています。
「これからの生活をスタートさせるためには、自宅に帰らないと何も始められない」。
その方は、一歩を踏み出す勇気を持てるかどうかわからないけど、まずは一度自分の家をこの目で見て、動き出さないといけないとも言いました。
これが被災地の思いです。ひとりの人間として、今後も伝えていかなければなりません。
投稿時間:19:00 |
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