2014年10月20日 (月)秋の海


中山庸介です。
先日、祖父の墓参の帰りに、海を眺めてきました。
ここは、千葉・御宿町にある通称「メキシコ塔」。
江戸時代、この海岸に漂着したスペイン船を
町の人たちが助け、いまでは公園となっています。
幼いころ、しょっちゅう、祖父と2人でやってきました。
再び訪れるのは、約30年ぶりです。



「ほっでね、みんなに綿入れの着物を着せてやったっぺ」
遭難した船の乗組員を地元の人が介抱した話を、
房州のイントネーションで自慢げに語ってくれたのを覚えています。
その祖父も、10年前、93歳で亡くなりました。

―それにしても、祖父はなぜ、幼稚園児の私をしょっちゅう連れてきたのだろうか?
30年ぶりに訪れて、なんとなくその答えがわかるような気がしました。

見渡す限りのスカイブルーと、群青の海。
途切れることなく続く、水平線。
まるで、船の甲板に立っているような気分です。
明治生まれ、若いころ船乗りだった祖父。
ここは、彼にとって、ロマンをかきたてられる場所。
そのロマンを感じてほしいと、心のどこかで思っていたのかもしれません。
                                                             
「おーい、庸介。はー、お前は体が大きいんだから、
小っちゃくまとまっちゃ、おいねっぺよ(いけないよ)」。
祖父の声が、聞こえてきたような気がしました。





5歳のころ (1984)

投稿時間:19:00

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