2016年05月05日 (木)

日常を取り戻すために    記者 安田嘉英

夕方、駐車場に次々と集まってくる車。狭い車内のスペースを家族と分け合うようにしながら毛布にくるまる人たち。うつろな目で飼い犬を抱きしめている人もいます。震度7の激震に相次いで襲われた熊本のあちこちで今や日常となってしまった風景です。

私は2回目の震度7からおよそ1週間たった4月下旬、三條リポーターとともに熊本に入りました。

車中での生活を続けている人はさまざまな事情を抱えています。中でも多くの人が訴えるのが相次ぐ揺れへの恐怖です。被災地では今も活発な地震活動が続き、震度1以上の地震はすでに1000回を超えました。もしあの激しい揺れが再び襲ってきたら大切な家族の命を守ることはできるのか。揺れのたびに目に不安の色を浮かべ、不自由な車中泊を続ける人たちの姿に胸をえぐられる思いがしました。

やまぬ揺れ、車内での生活。それだけではありません。崩れたままにされた家、小さい子供を抱えて配給の列に並ぶ母親、水が出ない蛇口、ネオンの消えた繁華街、いつまでも回収されない山積みのごみ。被災地ではいま、異常な日常が溢れています。そしてその異常な日常は人々の体を確実に蝕み始めています。

事実、車中泊をしていてエコノミークラス症候群で命を奪われる人も出てきています。精神的に追い込まれつつある人も大勢います。地震で救われた命が今も危機にさらされ続けている現実があります。異常な日常を一日でも早くもとの正常な日常に戻すために何ができるのか。これからも模索を続けながら被災地の現実や課題を伝え続けていきたいと思います。

 

 

投稿者:番組スタッフ | 投稿時間:19:26


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