清水がおじゃまします!サポーターの心つなぐお弁当
- 2023年05月31日
コーナー「清水がおじゃまします!」。
地域密着リポーターの清水が、県内のみなさんのもとに直接おじゃまして
地域で頑張る人や魅力的な取り組みなどをお伝えします!

今回おじゃましたのは、5月14日のアルビレックス新潟ホーム戦!
NHKではスタジアムにブースを構え、来場したサポーターに突撃取材しました!
アルビレックス新潟の勝敗と自分の人生を重ね合わせ、応援を通して勇気をもらう男性。
アルビレックス新潟をきっかけにご結婚、今ではお子さんと3人で応援するご家族。
アルビレックス新潟の選手を見ていると、勉強も頑張れるという小学生。
たくさんの素敵なエピソードを聞かせていただきました。
(みなさん、ありがとうございました!)
お話を聞いた、その13組目。
母の日でもあったこの日に出会ったのは、「アルビレックス新潟の母」ともいえるサポーターでした。
川勝のり子さん、76歳。およそ20年前から毎回欠かさずスタジアムに足を運び続けています。

20年前、息子に誘われてサッカー観戦をしたのがきっかけ。
観戦した時の仲間との一体感に夢中になったといいます。
川勝さんの元気の源がご自宅にあるということで、おじゃまさせていただきました!
家族全員がアルビの大ファン。家の中にはポスターやグッズが盛りだくさんです。

中でも一番の宝物を見せていただきました。
Jリーグ初代チェアマン、川淵三郎さんからのサイン。
20年ほど前、スタジアムに視察に来ていた川淵さんから頂いたそうです。

そのとき、川淵さんからかけられた言葉が忘れられないといいます。
「お母さんのような人が一生懸命になってくれれば、アルビも盛り上がるから、
強くなれるから、頑張って通ってくださいよ。頼みましたよ。」
当時、何気なくスタジアムを歩いていたところ、川淵さんに「お母さん、こっちに来なさい」と呼び止められてかけられたこの言葉は、今もアルビを応援し続ける原動力。
川勝さんにとって、宝物のような言葉になっています。
そして、今の川勝さんの一番の生きがいは「お弁当づくり」。

家族の分だけでなく、長年一緒に応援するサポーター10人分のお弁当と
会場の運営を支える学生35人分のおにぎりを、毎回作り続けています。


食材はほとんど川勝さんのふるさと、佐渡のもの。
川勝さんのお弁当作りを知って、佐渡のお友達が毎回送ってくれるそうです。
この日のお弁当のおかずは、
佐渡産ジャガイモで作ったオリジナルコロッケ!中には鮭とクリームチーズが入っています。

メインは、佐渡の郷土料理、ふきとフグの煮物。神社のお祭りに出てくるごちそうだそうです。

何十人分ものお弁当作りは川勝さんにとって全く苦ではなく、
みんなで一緒にお弁当を食べながら応援するのが何より楽しいといいます。
お弁当を作って元気に応援し続けるために、普段から筋トレやヨガで体づくりをしているそうです!
サポーターへのお弁当は20年間作っていますが、
おととし、弟さんが亡くなったときだけは、お弁当づくりができないときがありました。
試合に行けなかったとき、いつも一緒に応援するサポーター仲間が心配していた、と聞いた川勝さん。
久しぶりにスタジアムに訪れたときには、「戻ってきました、またよろしく」と声をかけあったといいます。
川勝さんにとって、サポーター仲間は顔をあわせればほっとする、ファミリーのような存在です。

もうひとつ、川勝さんにとって大切な繋がりがあります。
川勝さんの作るお弁当のうち、ひとつだけスタジアムに持っていかないお弁当が。
それを持って川勝さんが向かう先は、向かいのお家の仏前です。

向かいのお家に住んでいた、長年一緒に応援していた女性。
去年お亡くなりになりましたが、いまでも試合前には必ずお弁当をお仏壇に供え、
アルビレックス新潟の勝利を後押ししてくれるよう、思いを届けます。

このお弁当をもって、後日スタジアムに応援にいく川勝さんに出会いました。
まず、会場のスタッフとして働く学生たちにおにぎりを手渡し。
長時間運営のサポートをする彼らにとって、川勝さんのおにぎりは元気の源になっています。
そして、いつも一緒にお弁当を食べる20年来のサポーター仲間にもお弁当を渡し、試合に臨みます!
残念ながら、この日、惜しくも負けてしまったアルビ。
けれど負けたときの方が、サポーターの力で選手を支えたいと応援する気持ちになるといいます。
チームが不調のときこそ、あたたかく応援するサポーター。
川勝さんは次の試合も、お弁当を作り応援し続けます。

おじゃまさせていただいた川勝のり子さん、お話を伺ったサポーターのみなさん、
ありがとうございました!
