中越地震が人生を変えた 女性防災士が語る「防災は私の使命」
- 2023年03月23日
お話を伺ったのは、中越市民防災安全士会女性部「シュークリーム」を立ち上げた防災士の石黒みち子さん。新潟県長岡市を活動拠点とし県の内外で中越地震の体験談や教訓、ポリ袋調理の実践セミナーなどを開催。地域の防災意識の向上のために活動を続けています。

シュークリームを立ち上げたきっかけを教えてください。

中越地震で私の人生を180度変えるくらいのすごく大きな体験をしました。地震のあった2004年10月23日の夜、翌24日は道路で寝起きしていました。夜が白々と明けてきて周りを見渡すといままでに見たことがなかったような景色になっていて。道路は全て亀裂断裂、電柱は大きく傾いていて、電線はちぎれて道路にはっていました。これは夢を見ているんじゃないか悪夢だと思いました。避難所に逃げましたが満員で入れなくて当時は4、5日車の中で生活していました。なかなか支援物資が手に入らず食に関してもどこに行ったらいいのか何がもらえるのか分からない。情報も入らない状況だったのでこれではだめだと思いました。生きていくのがつらいほど打ちのめされました。

いまは幅広く防災の活動をされていますけれども当時はどうでしたか?

当時は防災に全く興味がなく、小千谷にあのような大きな地震が来るなんて夢にも思っていませんでした。自分のところでは絶対にそんなことが起きるはずないと思って過信していたのでふだんからの備えも何もしていませんでした。

全く興味がない中なぜここまで防災に力を入れるようになったんですか?

被災した当初は本当に防災という心境ではなくて。中越地震後防災士にはすぐなりましたけど8、9年くらいは体験談を聞かせてと言っても話ができませんでした。10年くらい経ってからだんだん落ち着いてきて少し話ができるようになりました。その後熊本地震に支援に行った時に大都市の被災者の方々や避難所の過酷な状況を目の当たりにして放っておけなかったんですね。それで防災に力を入れるようになりました。

被災地に支援に行くなど行動を起こして防災への意識が変わっていったんですね。

私は中越地震で助かりましたが、生きのびたってことは何かしら私にも使命があるのではと思っています。私はいま元気で健康だし生きのびたんだから、生きのびたという事実をどう今後の活動に繋げたらいいのか。一人ひとりの命を守るためにはこういった方法がありますよとか、こういったことを日頃から考え用意しておくとよいですよとか、そういったことを伝え続けることを大切に今後も活動を続けていきます。
一人ひとりの人生に大きな影響を与える、災害。私もその一人です。大切なのは、自分の住む地域のリスクを知ること。そして日ごろからの備えです。できることから始めてみませんか?
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